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ボリビア 道路公団整備工場修理計画


(1998年2月、在ボリビア大使館)


〈プロジェクト概要〉

 援助形態  無償資金協力
 協力年度  1989年度
 協力金額  8.52億円
 相手国実施機関  道路公団
 協力の内容  道路公団保有の各種スペアパーツの使用による道路建設機材の保守修理を可能とするために修理用機材を供与する。

〈評価要旨〉

1 効率性

 供与機材は、高度な技術を必要とするものも含まれていたが、短期専門家、青年海外協力隊員による講習を経てそれらを使いこなせるようになり、技術レベルが向上した。本プロジェクトは、1989年「ポトシ農道整備計画」の実施により道路建設機材が供与されたのと補完しつつボリビアの道路建設に大きな効果を上げている。

2 目標達成度

 道路公団側の通関手続きの遅れにより、機材の引き取りに1年近くかかったため、機材の稼働が当初より遅れた。しかし、その後順調に稼働率を上げ、現在は1種の機材がスペアパーツ不足により稼働していないのを除き、全て稼働している。またポトシの修理工場は重装備を行いうるレベルへ格上げされた。

3 インパクト

 本プロジェクトの実施により道路建設が推進されこれにより住民の市場へのアクセスが容易になり生産性が向上した。また工場内で人材育成を行い、高い技術を修得した職員を厳選し職員数を削減した結果、より高い生産性が得られ仕事の外部委託をすることがなくなり効率性が上がった。

4 妥当性

 本プロジェクトは、資機材等調査のみの実施で行われたが、道路公団側の知識不足もあり、必要部品の不足が生じた。機材のみの供与であっても申請時ならびに計画策定時に専門知識のある者による十分な検討が必要である。

5 自立発展性

 ポトシ道路公団では、供与機材についての使用時間、使用場所、実施作業内容、使用燃料、修理用部品などの情報を全てコンピューターで管理している。機材の維持管理、道路建設機材の修理に必要な経費は、県内の道路通行料徴収による自己収入で賄っている。

6 環境・ジェンダーへの配慮・影響

 道路公団はオイル類、固体の廃棄物を再利用している。また、道路公団は、独自の基準で排気ガス、ディーゼルエンジンの黒煙等をコントロールしている。

 道路建設の推進により、女性の市場へのアクセスが改善された。

7 今後必要とされるフォローアップ

 1994年にフォローアップ調査、95年に資機材購送、96年に再活性化専門家派遣により、ようやく機材が順調に使用されることとなった。修理工場の職員がさらに有効な使用方法を身につけるためには専門家による強力な技術移転が望ましい。

8 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 調査団派遣により対象国の意識も高まるとともに、内容について十分検討ができると考えられるので機材供与の案件でも資機材等調査のみでなくより本格的な調査団派遣が望ましい。

 また、本プロジェクトでは据え付け指導がなかったので、同様の計画には据え付け指導を必須とし、できれば技術協力との連携が望ましい。


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