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ブラジル カルチャーコレクション


(1998年2月、在ブラジル大使館)


〈プロジェクト概要〉
 援助形態  研究協力
 協力期間  1991年4月~94年3月
 相手国実施機関  カンピーナス大学食品工学部(アンドレ・トゼロ熱帯研究・技術財団)
 協力の内容  アンドレ・トゼロ熱帯研究財団に対して菌類等を中心とした遺伝資源の収集・分類・保存技術の確立、技術トレーニング・プログラムの確立カルチャーコレクション情報ネットワークの確立を支援する。


〈評価要旨〉

1 効率性

 連邦政府の関連プログラムが本協力実施中に中断・縮小されたことから、他のカルチャーコレクション整備機関の多くが活動が停止したという要因はあるものの、他の関連機関との研究面での連携を取ることを考えればより効率的であった。

2 目標達成度

 実施機関であるアンドレ・トゼロ財団は、カルチャーコレクション関連技術が定着し、大学・民間のバイオテクノロジー研究支援・情報提供態勢が確立している。また、連邦政府の財団の技術に対する評価も高いので、プロジェクト目標は十分に達成できた。

3 インパクト

 現在の財団の活動は全てがカルチャーコレクションを通じて確立あるいは高度化された基礎的・基盤的技術の上に成り立つものであり、本研究協力のインパクトは大きい。

4 妥当性

 実施中に日本側専門家の指導により方向付けられた「環境」に着目したカルチャーコレクションの整備方針が、今日、連邦政府環境省、農務省等の評価を得ているので、プロジェクトの形成等は適切に行われた。

5 自立発展性

 財団の連邦政府の研究プログラムヘの参加、大学・民間研究への支援サービス提供の実績から、本協力により定着した技術は協力終了後も発展していると言える。

6 ジェンダーへの配慮・影響

 現在、財団におけるカルチャーコレクションを支える研究スタッフ29名のうち23名が女性である。

7 今後必要とされるフォローアップ

 財団のカルチャーコレクションは、「生物多様性」の面で連邦政府も注目しており、この面での共同研究の実施が考えられる。

8 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 本件は、実質的な実施機関は財団、手続き窓口・業務の一部をカンピーナス大学工学部という分担で行われたが、同大学は連邦政府科学技術省のカルチャーコレクションセクタープログラムに参加していなかったことから、同大学に換え科学技術省を窓口とした方が連邦政府の政策と本協力との関係が明確になったと思われる。

 今後類似の協力が行われる際には地球的規模の環境問題に配慮し、むしろ「生物多様性」情報、遺伝資源の蓄積・保存という面を強調した協力を行うべきではないか。


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