広報・資料 報告書・資料

前のページへ / 次のページへ

コロンビア リパージャ診療所整備計画


(1998年1月、在コロンビア大使館)


〈プロジェクト概要〉
 援助形態  草の根無償資金協力
 協力年度  1994年度
 協力金額  250万円
 相手国実施機関  バランキージャ市
 協力の内容  バランキージャ市リパージャ地区診療所に医療機材、歯科機材、家族計画普及機材、診療所設備機材を供与した。


〈評価要旨〉

1 効率性

 リパージャ地区診療所は、市の保健局・二次病院の所属体制となっており、市の予算で運営されており、地域住民も同診療所を良く利用しており一般医療活動は維持されている。

2 目標達成度

 同診療所は、リパージャ地区・その周辺の3地区(7,000人程度)の貧民街を管轄し、1日あたりの外来患者は25名程度で、主に妊婦、ぜんそく、風邪、小児ぜんぞく、皮膚病等の患者が利用している。また、市政に基づき、妊婦と新生児・幼児のケアー、家族計画普及活動、予防接種等の活動を行っている。

3 インパクト

 医療サービスは当初ゼロに近い状態であったものが、機材供与により家族計画普及活動の開始、基礎的医療サービスの飛躍的な改善、妊婦と新生児等のケアー、地域住民の診療所利用度の向上、二次病院への患者集中緩和を可能とした。

4 妥当性

 機材供与により医療活動の約7割程度は改善維持することができたことは適正であった。

5 自立発展性

 今後とも、同診療所の医療活動は継続していくものと思われる。しかし、歯科医欠員により歯科治療サービスがここ1年間中断している。

6 環境及びジェンダーへの配慮・影響

 リパージャ地区は、貧民街で衛生環境状態が悪い地区であり、診療所自体も老朽化しており、ゴミ山に設置されているので、診療所の移転が適当である。かなりの頻度で妊婦診察・治療が行われており、家族計画普及活動でも多くの女性が参加している。

7 今後必要とされるフォローアップ

 歯科医欠員の問題は、基本的には市保健局で解決すべきものであるが、早期解決に向け、引き続き申し入れ・モニタリングを行って行く必要がある。

8 将来他のプロジェクトを実施する際に教訓として活かされるべき事項

 リパージャ地区は旧市長と新市長の選挙の争点地区となった。我が国の市町村・地域への協力が、協力当初は政治的背景がないとしても、結果としてその後政治的に左右されたり、利用されたりするリスクを出来るだけ減じるように、その予測は極めて困難であるが、プロジェクトの選定や継続性の維持のための担保等に注意するべきであろう。


前のページへ / 次のページへ

このページのトップへ戻る
目次へ戻る