(1998年3月、在ベネズエラ大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1989年度 |
協力金額 | 7.15億円 |
相手国実施機関 | ガイアナ電力公社 |
協力の内容 | デメララ電力系統の主力発電所であるガーデン・オブ・エデン発電所に5.7メガワットのディーゼル発電機を1基設置する。 |
〈評価要旨〉
1 効率性
供与機材の規模や運用に必要な技術レベルは、現在、電力需要との関係でも適切な規模にある。また相手先実施機関による管理も特段の支障がない。
2 目標達成度
デメララ電力系統の総供給能力は、定期点検による一部発電所の休止などがあった場合でも電力需要を満たすに十分なレベルに達しているので、この点でプロジェクトは成功している。しかし、送電網の老朽化により首都ジョージタウンでは月数回の停電が発生しており、ガイアナ電力公社の責任において送電網は早急に整備されるべきである。
3 インパクト
当プロジェクトの実施により、首都の電力供給安定性は確実に向上し、全ての首都圏居住者に利益をもたらしている。
4 妥当性
電力の安定供給は産業活動、国民生活いずれの分野においても基盤とされ、大きな影響力を持つので、当プロジェクトの採択、実施は、援助効果からは適切であった。また、当プロジェクトはJICA開発調査による「沿岸地域電力開発計画」に基づき、最適な時期、内容で実施された。
5 自立発展性
ディーゼル発電機は、通常の維持管理に関してはガイアナ電力公社の技術者により問題なく運営されている。しかし、複雑な故障の際には、納入先の日本企業の技術者が修理に訪れ、修理、部品の交換を行った。財政面では、ガイアナ電力公社は慢性的な赤字状況にあり政府から多額の補助金を受けており、運営資金確保の観点からは自立しておらず、解決のために電力料金の値上げを計画している。
6 環境への配慮・影響
発電所は住宅地から遠隔地にあり設備規模も小さいので大気汚染、騒音などの問題はない。
7 今後必要とされるフォローアップ
1994年にフォローアップとして資機材を供与し、供与機材は順調に稼働中であるが、供与後7年が経過したので、今後の必要に応じフォローアップが必要である。
8 将来他のプロジェクトを実施する際に教訓として活かされるべき事項
供与機材である発電機に支障がなくとも援助先機関の事情により送電網に問題がある場合には十分な効果が上がらない点を踏まえてプロジェクトを作ることができればより望ましい。