(1998年3月、在ベネズエラ大使館)
援助形態 | プロジェクト方式技術協力 |
協力期間 | 1982年4月~88年3月 |
相手国実施機関 | 厚生省付属Dr. LANDERSON消化器系ガンセンター |
協力の内容 | 消化器系早期ガン診断センターの設立、診断システム確立のための指導(短期専門家54名の派遣、研修員22名の受け入れ及び407百万相当の機材供与)を行った。 |
〈評価要旨〉
1 効率性
技術者の高い定着率や、機材の適切な扱いから判断して、プロジェクト技術協力方式は適正なものであり、稗益者の数から見ても投入規模に十分見合った成果を上げている。
2 目標達成度
同センターは約29万名の受診者の中から約1,200名のガン患者を発見した。また、国内およびコロンビアからの研修生を受け入れ、検診機関以外の技術指導機関としての役割も果たし、技術・機材を十分に活用して成果を上げている。
3 インパクト
ガン発見数の向上による直接的な稗益、ガンヘの対処体制整備による精神的な安定に寄与している。勤務している医者、技術者は極めて定着が高い。また同センターはコロンビアからの研修生を受け入れるなど近隣国にもインパクトがあった。
4 妥当性
現在でも胃ガンの発生率が最も高いことからも、要請当時から胃ガンを始めとする消化器系ガンに焦点を当てた本件協力は妥当であり適切な選択であった。
5 自立発展性
供与機材は適切に最大限に利用されている。同センターは検診費用が無料なので基本的に赤字経営であるが、厚生省およびNGO(タチラ・ガン撲滅協会)からの支援を受け活動を維持している。
6 ジェンダーへの配慮・影響
直接ジェンダーへの配慮はないが、多数の女性職員が参画している。
7 今後必要とされるフォローアップ
供与機材は供与後10年以上を経過したものが多いので、専門家を派遣の上、適切な機材の更新が必要である(X線検査装置については、平成10年度に放射線技師が短期派遣される予定。)。同センターの活動を効果的なものとするために、職員(医師、技師)の新たな研修が望ましい。
8 将来他のプロジェクトを実施する際に教訓として活かされるべき事項
医療機関への協力の場合、機材の使用頻度が高いので、交換部品についても補充が可能となるよう配慮する必要がある。また、定期的な機材供与チェックのための専門家の巡回が望ましい。