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アルゼンチン プエルト・デセアード漁港拡張計画


(1998年3月、在アルゼンチン大使館)


〈プロジェクト概要〉
 援助形態  無償資金協力
 協力年度  1987年度、88年度
 協力金額  15.89億円、9.72億円
 相手国実施機関  経済公共事業省(港湾公社)
 協力の内容  アルゼンチンの民政移管後、外貨獲得手段としての漁業振興とパタゴニア地域振興の観点から、プエルト・デセアード港の漁港機能拡張のための港建設が行われた。


〈評価要旨〉

1 効率性

 プエルト・デセアード港に水揚げされる魚種は高級魚種でありこの大半が日本に輸出される観点から費用対効果は極めて高い。運営上の効率性については、現政権による1992年の民営化は当初計画以上に同港の活性化に役だった。

2 目標達成度

 同港は年間水揚げ量が2倍以上に、入港実績も約2倍となりアルゼンチン第3位の水揚げ港にまで成長し、当初目標を十分に達成した。

3 インパクト

 当プロジェクト実施にあわせ、大手水産会社による水産加工場の増設、ドック(造船場)の誘致に伴う雇用人口の増大、入港隻数と貨物取扱量の増大による荷役人夫の増加に伴い当地人口も増大した。当地経済は近年の羊毛産業の国際競争力低下により苦しい状況であり、中・大型漁船による水揚げのための港拡張が不可欠であったが、当プロジェクトの実施により当地に与えた経済的インパクトは極めて大きい。

4 妥当性

 当プロジェクトは84年の民政移管以降外貨獲得の有効な漁業の振興に大きく貢献しており、極めてタイムリーな計画であった。施設面でも、同港はデセアード港事務局の管理のもと適切に運営されている。

5 自立発展性

 デセアード港事務局は係留経費、クレーンの使用料を徴収している。鉱物資源の輸出のための州予算による岸壁の新築、アクセス道路の修復計画もあり、管理状況は良好である。

6 将来他のプロジェクトを実施する際に教訓として活かされるべき事項

 一つの漁港整備計画という位置づけではなく、例えば、水産加工場への輸送専用道路の建設、船舶用給油施設の建設、港湾関連施設のための埋め立て等地域の総合整備計画の中の漁港整備という位置づけで実施すれば、より効果的であったと思われる。


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