(1998年1月、在セネガル大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1993年度 |
協力金額 | 4.45億円 |
相手国実施機関 | 社会保健事業所 |
協力の内容 | 10州の社会保健衛生局へ、医療品の運搬、患者移送等のための多目的医療活動車を供与すること、また、国立中央病院小児科、産婦人科等への母子保健を対象とした医療器具を供与することにより、より高度な医療サービスを可能とし、女性・子供の生活向上を図る。 |
〈評価要旨〉
1 目標達成度
本件供与により医療サービスの向上が図られ、当初設定した目標は達成していると思われる。
2 インパクト
本プロジェクトにより、保健医療の改善が目に見える形で十分に現れている。これまで、国立病院で取り扱っていた症例が、ポリクリニック、保健センターレベルで対処できるようになっており、病気に関する住民の負担が多様な面で軽減された。
3 妥当性
社会保健事業省の予算面での充当には限界があるものの、組織としてはフォローアップをしっかり行っており、その対応は適切であるといえることから、本件は適正であったといえる。
4 自立発展性
国立中央病院機材については、光線療法機材等の一部の機材を除き、概して適切に使用されており、小児科、産婦人科等で医療事情の改善に大きく寄与していた。一方、管理状況については、国立中央病院内の運営機構の複雑さが原因でメンテナンスが十分に行われていない。また、病院関係者のメンテナンスヘの意識も低く、被供与母体の内部機構的な問題として今後の課題になろう。
5 ジェンダーへの配慮・影響
国立中央病院は産婦人科、小児科を中心とした供与であり、その他も母子センター、保健センターを中心とした供与ということで、本プロジェクト自体が「ジェンダーへの配慮」となっている。
6 今後必要とされるフォローアップ当地においては粉塵の問題等により機器の耐用年数が短縮化されること、供与機材のニーズが高く、オーバーワークになりがちであること等もあるため、不足しがちなスペアパーツを把握し、適切な対応をとることは供与機材のより効率的な利用に資する。
7 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
モーリタニアでは専門医療教育機関・設備が不足しているため、病院への供与機材を利用した職員への教育効果は高いと思われる。