(1998年3月、在ジンバブエ大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1993年度 |
協力金額 | 9.73億円 |
相手国実施機関 | ラジオ・モザンビーク |
協力の内容 | ラジオ放送の中枢である、マプートスタジオセンターのマスターコントロール設備およびマトーラ送信局の全国用・地方用中波送信設備などを更新することにより、安定した番組の供給、受信品質の向上、サービス地域の拡張を図る。 |
〈評価要旨〉
1 効率性
本プロジェクトにより投入された機材、人材、資金は、効率的に成果に転換された。開始段階には、通関手続きに若干時間を要したものの、資機材搬入を行う際に、とかく滞りがちな各種手続きについて、実施機関であるラジオ・モザンビークは関係行政機関と十分に連絡をとり、工事の進行に支障をきたさないようなサポート体制を敷いた。また、資機材設置の段階には、施工業者がラジオ・モザンビークの技術職員に積極的に技術移転を行った。
2 目標達成度
モザンビークにおいて事実上停止状態であったラジオ放送の放送地域が30%まで拡大され、ラジオの全国への普及・促進に向けて大きく貢献したことから、所期の目標を達成したと言える。
3 インパクト
放送地域の拡大や電波の質の向上を図ったことは、モザンビーク国民にとって意義があり、衝撃的なものであったと推察する。また、放送設備の維持管理コスト削減は、ラジオ・モザンビークの経営に大きなインパクトを与えた。
4 妥当性
プロジェクトにかかる優先度、実施時期、規模等を勘案した場合、本プロジェクトはモザンビーク側の要請意図を的確に反映した時宜に適つたものであった。
5 自立発展性
供与設備の維持管理は、技術局長の指導の下、関係スタッフ全員が一丸となって行っている様子が感じられ、その体制は訓練効果も含めて、良好に機能している。
6 今後必要とされるフォローアップ
本プロジェクトをより効果的にモザンビーク国内に稗益させるため、他放送局の整備計画についても、今後プロジェクト形成を検討する必要がある。
7 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
本プロジェクトに類似するプロジェクトを行う場合、よりきめ細かな技術移転と将来の案件発掘・形成にかかる情報収集を行う観点から、個別専門家の派遣が必要と思われる。