(1998年3月、在マダガスカル大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1994年度 |
協力金額 | 4.50億円 |
相手国実施機関 | 農業省 |
協力の内容 | 農薬肥料農具等を供与し、マダガスカルの食糧増産に寄与する。 |
〈評価要旨〉
1 目標達成度
本プロジェクトの目標はマダガスカルの食糧増産援助に貢献することである。1994年度分の食糧増産援助は、南部、中西部、中南部を重点地域として実施され、主要耕作物である米の収穫量は、南部では1.5トンから1.8トンへ、中西部及び中南部では2トンから2.5トンへと増加した。トウモロコシおよびマニヨックについても同様に増加したことから、当初の目標は達成されたと言える。
2 インパクト
援助物資が配布されてから既に3年が経過していたが、現地調査を行ったアンチラベ(中西部の主要都市)の肥料販売店、農業共同体では配布された物資について未だ覚えていた。また、地元の農民の話では市販品よりも安く購入することができて、大変助かったと言っていた。
3 妥当性
プロジェクト地域の選定はマダガスカル農業省が振り分けを決めており、1994年度は当地の代表的な食糧生産地帯である中南部、食糧増産が見込まれる中西部及び乾燥地帯である南部が選ばれた。マダガスカル農業省は毎年同一一地域に援助物資が偏って配布されることがないように配慮しており、プロジェクト形成に関し、特に問題は見あたらない。
4 自立発展性
供与後、3年が経過しているが、肥料、農薬は、適切に使用されていた。アンチラベには肥料のみ配布され、農耕具の使用状況は見ることができなかった。農耕具の購入者はおおむね個人で購入しており、支払い義務もあることから個人の責任において適切に維持管理していると思われる。
5 環境及びジェンダーへの配慮・影響
アンチラベの農業省地方事務所長によると、農薬の使用方法を適切に巡回指導しており、他の地方においても同様に行われているとのことであった。
6 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
食糧増産援助は供与後、見返り資金の積立報告およびその使用をめぐる使途協議を行うことになっているが、先方政府によるプロジェクトの評価およびレポートの作成は義務づけられていない。先方政府による評価やレポートの提出を義務付けることにつき検討することも必要であろう。