(1998年2月、在フランス大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1989年度 |
協力金額 | 1.60億円 |
相手国実施機関 | 公共・土木・都市・住宅省 |
協力の内容 | 1989年の大洪水による住宅被害を軽減するため、住宅建設のための亜鉛鉄板約13.6万枚を供与し、4,000世帯(約3万人)の低所得者住宅確保を可能にする。 |
〈評価要旨〉
1 効率性
亜鉛鉄板は簡易住宅建設資材として適正な投入であり、本計画の効率的な実施を可能とさせた。
2 目標達成度
洪水で被災した4,000世帯の民生の安定に貢献するとともに、計画実施の翌年から始まった内戦により不安定になった民生向上のための一助となった。
3 インパクト
洪水の被害及びその後の内戦の中で、亜鉛鉄板供与は低所得者層の住宅建設を通じ、生活支援の一助となるとともに、同層の生活環境の改善の上で貢献した。
4 妥当性
洪水により住居を喪失した貧困層への住居確保対策として機動的に対応する必要があったことから、本計画は妥当であった。
5 自立発展性
バルバラ地区にコミュニティーレベルの管理委員会が設立されたが、低所得者による自己資金はほとんどなく、また、内戦状態の中で政府からの財政支援も得られなかったため、亜鉛鉄板の維持管理については不十分なものにならざるを得なかった。
6 今後必要とされるフォローアップ
すでに老朽化しつつある亜鉛鉄板の更新については、政府及びコミュニティーも資金的に余裕がなく、ほとんど手付かずの状態であるので、先方の要請があれば、草の根無償あるいは見返り資金の使用を検討していく必要がある。
7 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
低所得者層向けの住宅が長期的に使用可能となるように、亜鉛鉄板等については更新する等による維持管理が必要であり、今後この種の援助が検討される場合には草の根無償あるいは見返り資金の利用について先方政府と十分協議する必要がある。