(1998年4月、在ガボン大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1991年度 |
協力金額 | 2.20億円 |
相手国実施機関 | 保健省 |
協力の内容 | 同国最大の医療拠点である同病院の医療機材を改善することにより、病院自体の医療インフラの改善だけではなく、同国保健医療体制の整備を促進する。 |
〈評価要旨〉
1 効率性
同病院の医療技術レベルは極めて低く、供与機材を活用できるだけの能力を持たなかったが、数次にわたるフォローアップ専門家の派遣によりおおむね適切な技術移転を図ることができた。言葉の問題等もあり、機材の据え付けや技術指導の際、若干困難な点が見られた。
2 目標達成度
本プロジェクトによる機材供与により、診療および検査の質の向上、安定した電力供給、急患への対応、離村からの患者の移送等を可能にし、医療体制は確実に向上したことから、目標はおおむね達成したと評価できる。
3 インパクト
診療および検査技術の向上、病院関係者の意識向上が達成された。また、日本のロゴをつけた救急車両の島内巡回により、地域住民に日本の援助の認識が浸透している。同国協力受け入れ機関も、プロジェクト終了後に、適切にフォローアップを行っていることを高く評価している。
4 妥当性
同国は保健医療分野を国家経済開発上の最重要課題と位置づけており、同国最大の医療拠点である同病院への医療機材供与は適切であったと考えられる。但し、同国の医療レベル及び財源が極めて貧弱なことを考えると、供与機材は高価かつ高水準で、維持管理に支障をきたしている。
5 自立発展性
本プロジェクトは同国の開発政策上の高い優先順位を維持しているものの、経済的困難から、維持管理のための財源確保は厳しい状況にある。人材、保守管理技術の欠如から自立発展は容易ではない。
6 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
先方政府の行政能力および財源の確保にはあまり、期待できない。従って、将来他のプロジェクトを実施する際にも先方に対しあらゆる形で、着実且つ効率的なプロジェクトを実施及びフォローアップを図っていく必要がある。また、同病院の整備に力を入れているポルトガルと援助政策につき意見交換をし、協力を模索していくことも有効であると考える。