(1998年3月、在セネガル大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1991年度 |
協力金額 | 6.80億円 |
相手国実施機関 | 地方開発水産省 |
協力の内容 | 水場・準備岸壁、防波堤壁、荷捌き棟、漁民用漁具倉庫棟の建設により、国際機関(アフリカ開発銀行等)の協調融資により建設された冷凍施設をより有効に活用できるようにして、操業の効率化と安全性の向上を確保する。これにより、零細漁業が近代化されるとともに国民への動物蛋白の安定供給を向上する。 |
〈評価要旨〉
1 目標達成度
プライア漁港の完成により零細漁業の安定性が向上し、国際機関の協調融資により建設された冷凍設備も恒常的に使われるようになった。また、国民への安定した動物蛋白質供給も可能になった。
2 インパクト
製氷施設が十分に活用されることで、動力付き小型漁船の操業範囲が拡大するとともに、水揚げ高もあがり零細漁業が活性化した。国民への動物蛋白供給量も向上した。
3 妥当性
国際機関の協調融資による冷凍設備が整備されることを前提としており、実際に本計画が同施設の有効利用も促したことや、政府、零細漁民、日本側の要望がそれぞれ合致していることから、プロジェクト選定は妥当であった。
4 自立発展性
プライア漁港の岸壁、事務所、漁具倉庫、防波堤は、それぞれ常に利用され運営状態はよく、同漁港への入船料は入船する度に事務所で運営委員会が徴収している。徴収金は施設の修理、維持に使われ自主管理されている。
5 今後必要とされるフォローアップ
網などの漁具を修理、手入れできる作業場があると、さらに利用度の高い漁港となることが期待できる。
6 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
本計画は国際機関の協調融資による冷凍設備が整備されることを前提としていたにもかかわらず、実際は同設備の整備は大幅に遅れ、本計画完成後も暫く設備は利用できなかった。今後協調案件を実施する場合は、協調案件相手の信頼性を十分に調査するとともに、最悪の場合、相手が頓挫してもある程度の効果が発現する計画を策定する必要がある。