(1998年5月、在ガーナ大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1992年度 |
協力金額 | 6.08億円 |
相手国実施機関 | ガーナ道路公社 |
協力の内容 | ガーナ道路公社保有のクレーン、油圧ジャッキ、グラインダー等の修理機械および修理工具等の更新を行い修理工場の機能回復を行う |
〈評価要旨〉
1 目標達成度
供与した機械はおおむね良好に稼働しており、修理工場の機能向上・回復という当初の目標は達成したと考えられる。
2 インパクト
重点的に機材の配置をした首都アクラの修理工場は、修理を待つ車両の数も非常に多く、数多くの修理作業が行われている様子であった。
3 妥当性
ガーナ道路公社の修理工場に対して修理機材を供与し、その機能回復・向上を図るという目的は妥当であった。また、アクラの修理工場の利用率が高く、修理部品の入手が容易であることを考慮して、重点的に機材を配置したことも妥当であったといえる。
4 自立発展性
供与後既に5年近く経過しているが、アクラおよびクマシの修理工場をみた限りでは、機械や工具の保管状況は概ね良好であった。クレーン、グラインダー、コンプレッサー等ほとんどの機材が問題なく稼働していた。特に、修理用工作車は、非常に重宝している様子であった。一方、油圧プレス、蒸留水製造機、バッテリー充電機は故障若しくはスペアパーツの入手ができずに、利用されていなかった。蒸留水製造機のスペアパーツ以外は当地でも入手可能であるが、修理工場による予算措置等の対応が困難なため、入手出来ない状態にある。
5 今後必要とされるフォローアップ
蒸留水製造機のスペアパーツ供与、油圧プレスのワイヤ供与、バッテリー充電機のトランス交換により故障機材の機能が回復する。
6 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
ガーナでは、道路による輸送が大半であり、道路建設機械による適切な補修作業は不可欠である。日本も無償資金協力により建設機械を供与しており、本プロジェクトヘの機材供与は、これら建設機械の修理作業への支援としても適切であるといえる。
しかしながら、ガーナ道路公社の予算不足等の体制が原因で、道路整備状況が悪化していることから、体制整備の計画に沿った支援も必要であろう。また、機材供与は技術指導等を通じたキャパシティー向上のためにも行われるべきであり、ガーナの技術者の要望を十分に踏まえることや、青年海外協力隊の助言も参考に機材を選定することが有効であると考えられる。