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エジプト スエズ運河待機泊地拡張計画


(1998年3月、在エジプト大使館)


〈プロジェクト概要〉
 援助形態  有償資金協力(円借款)
 協力年度  1981年度
 協力金額  70.00億円
 相手国実施機関  スエズ運河庁
 協力の内容  ビター・レイク内に大型船舶用待機泊地のための浚渫行い、運河通航上の安全を確保する。


〈評価要旨〉

1 効率性

 事業実施段階において詳細な水深測量を行った結果、プロジェクト計画時を比較し、浚渫土量が2,000立方メートルから1,588立方メートルに減ったため、工期の短縮(13ヶ月から12ヶ月へ)、コストの低減(計画時におけるスエズ運河庁による自己資金分と日本の借款の総額である80.50億円が66.61億円へ)が可能となり、効率的な実施がなされた。また、工事の緊急性に鑑み、計画より早く開始された結果、当初計画の工期であった1983年12月完了の予定が、同年1月に完了した。

2 目標達成度

 浚渫工事は1982年2月から83年1月の12ヶ月で終了し、プロジェクト目標は完全に達成された。

3 インパクト

 大型タンカーの堤防との衝突、座礁による船体および堤防の破壊を防ぐとともに、原油流出による付近の他の船舶への延焼、人命への損害、生態系の破壊防止等が懸念されていた中、安全性の確保が可能となった。

4 妥当性

 待機泊地拡張以外に執りうる措置としては、ブイによる4点係留、係留ドルフィンによる停泊、岸に沿っての船舶の停泊等が考えられるものの、大型タンカーの安全停泊のためには待機泊地の拡張が最も安全な措置であり、計画は妥当であったと評価できる。

5 自立発展性

 事業の実施機関であるスエズ運河庁は、本プロジェクト実施以前から、スエズ運河拡張のための浚渫工事を行ってきており、維持管理能力は高いものと評価できる。


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