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イラン カスピ海沿岸地域農業開発


(1997年11月、在イラン大使館)


〈プロジェクト概要〉

 援助形態  無償資金協力
 協力期間  1990年4月~96年3月
 相手国実施機関  農業省
 協力の内容  カスピ海地域農業プロジェクト実施センター(CAPIC)の設置、各種機材供与および機材を操作するカウンターパートのトレーニング、技術実証圃場の整備により、機械化作業に対応した農地の基盤整備、営農における機械化の一貫した運営体系推進を図る。


〈評価要旨〉

1 効率性

 地域としては、初の日本人専門家による協力が行われ、開始当初は受け入れ側が馴染めなかったものの、技術交流により、当国の技術者及び農家の信頼を得て、プロジェクトはほぼ計画通りに進展することができた。

2 目標達成度

 地域の農業基盤整備事業の展開に向けた技術者養成がなされた。また、展示圃場の設置により、農家へ営農近代化を啓蒙するための基盤整備による効果の実証および機械化営農の利点等の普及・啓蒙が行われた。

3 インパクト

 農業近代化のメリットが技術的に実証され、基盤整備推進に対する農家の信頼を得ることができた。また、本プロジェクトと平行して実施されている国営の基盤整備事業にも、日本の整備方式の利点が影響を与えた。

4 自立発展性

 協力終了後も、同国から十分な予算が配分され、人員の配置、供与機材の管理、および施設の運営が継続的に行われている。

5 ジェンダーへの配慮・影響

 間接的ではあるが、本プロジェクトによる農作業の近代化により、田植え、除草および刈り入れ当の季節的重労働から女性が解放された。

6 今後必要とされるフォローアップ

 全国の基盤整備を効率的に推進するためには相当数の技術者の確保が必要であり、CAPICを核とした新たな人材養成機関の設立により技術者養成を図り、圃場整備による農家の啓蒙をさらに推進する事業が有効と考えられる。

7 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 優秀なカウンターパートを確保するために待遇面や給与面で魅力のある組織を作るように相手国政府に働きかけることも重要である。


(写真)収穫作物


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