(1998年3月、在イエメン大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1993年度 |
協力金額 | 5.12億円 |
相手国実施機関 | サアナ市清掃局 |
協力の内容 | サアナ市のゴミ処理の現状を改善するために、主として収集・運搬機材の整備および最終処分場での処理機材の補強を行う、とにより、サアナ市廃棄物処理行政の基盤整備を行う。 |
〈評価要旨〉
1 効率性
供与機材の殆どは十分に利用されているが、運営経費が十分に投入され、住民の衛生観念向上のための努 力が精力的に行われていればの一層の成果が得られたものと考える。
2 目標達成度
イエメン側保有の既存機材が老朽化し殆ど使用できなくなったことおよびイエメン側の予算不足で本計画 実施後に新規機材が殆ど導入されていないことにより、廃棄物収集率が計画の水準に達していない。
3 インパクト
本計画が実施されていなければ、サアナ市のゴミ収集状況が一層悪化していたと考えられるので、本計画 は首都の環境改善に一定のインパクトを与えたものと考えられる。
4 妥当性
供与機材は全般的に十分に利用されているので、本計画の選定はおおむね妥当であったといる。
5 自立発展性
サアナ市は国の方針を受け、1997年度2月~4月、私企業3社と市のゴミ収集・運搬を委託する契約を結び、供与された機材は殆どこれら私企業に貸与されて維持管理されている。サアナ市清掃局はこれら私企業を監督する立場にあり、ワークショップで機材の修理を行っており、機材の維持管理状況はおおむね良好である。
6 環境への配慮・影響
本計画は環境改善を目的としている。
7 今後必要とされるフォローアップ
供与機材の維持管理はおおむね良好に行われているが、スペアパーツが現地で調達できないために使用されていない機材も一部あるので、適切なフォローアップが必要と考えられる。
8 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
都市環境衛生の改善には機材の整備とともに住民の衛生観念の向上が必要不可欠であるので、相手国がメディア、教育機関等を取り組んだ広範かつ継続的な環境衛生教育を実施することが強く求められる。