(1998年4月、在インド大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1987年度 |
協力金額 | 9.11億円 |
相手国実施機関 | インド漁業調査試験場 |
協力の内容 | 水産資源調査船2隻の供与。 |
〈評価要旨〉
1 目標達成度
供与された2隻の調査船は、約20日間の調査航海を年間10回程度行い、表・中層のマグロ資源調査に成果を上げている。調査データは、出版物やメディアを通じて、漁民、漁業組合等漁業関係者および政府関係者に公表されている。
2 インパクト
インド漁業調査試験場によると、マグロ漁獲高の約1割を日本、英国、米国、欧州等に輸出しており、外貨獲得に貢献している。
3 妥当性
漁民の所得増加と雇用の拡大、国民への動物性蛋白質の供給、輸出による外貨獲得などを図るため、漁業の開発を重点目標としているが、特にマグロ漁業の開発に重点を置いており、マグロ資源の本格的調査を行うための近代的調査船の供与は妥当であった。
4 自立発展性
インド漁業調査試験場は、漁業航海訓練所の支援を得て航海士候補生の乗船訓練や専門学校の学生に対する航海士やエンジニアとして採用するための資格試験を実施するなど、技術者の育成を組織的に行っている。
5 環境への配慮・影響
水資源の調査に併せ、科学者による生物、環境データの収集も行われており、海洋環境保全に役立っている。
6 今後必要とされるフォローアップ
本件協力の効果をより一層発現させるために水産資源の流通施設の確立が不可欠であり、保存施設の拡充が必要である。(フォローアップとして1989年に資機材を供与した。)
7 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
供与した2隻のうち、1隻はターボチャージャーの故障により、2年間航海実績が落ち込んだ。結局イン ド政府側の予算不足のため我が方のフォローアップにより対応した。