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フィリピン 農業普及研修施設機材整備計画


(1998年3、4月、在フィリピン大使館)


〈プロジェクト概要〉
 援助形態  無償資金協力
 協力年度  1991年度
 協力金額  9.20億円
 相手国実施機関  農業省農業教育局
 協力の内容  フィリピンにおける農業普及に係る研修ネットワークを強化するため、日本の無償資金協力により、農業教育局の研修施設の改修を行うとともに、研修所に視聴覚機材などを整備する。

〈評価要旨〉

1 目標の達成度

 このプロジェクトで改修した施設や整備された機材により、農業普及に係る研修は、量、質ともに向上しており、農業教育局の研修ネットワークは確実に強化されたといえる。

2 インパクト

 農業教育局の研修ネットワークが強化されたことにより、農業政策及び農業技術が改めてこのネットワークを通じて普及されるようになった。しかしながら、一方で、地方自治体における農業行政職員、農業技術員・普及員などの人材不足と予算不足は依然として深刻であり、研修ネットワークにつながる普及ネットワークの確立が地方自治体を中心に求められている。

3 妥当性

 農業技術の普及は、フィリピンの農業生産の向上のために不可欠であり、農業教育局の研修ネットワークの強化を目的としたこのプロジェクトは、極めて妥当性が高い。また、情報通信機材として短波帯SSBトランシーバーを調達したが、その後の携帯電話網の整備促進により、主たる通信手段ではなくなってしまっていた。

4 自立発展性

 調達した機材については、財産目録による管理が定期的になされている。また、機材ごとに管理担当者が決められ、機材の適正な管理が行われていた。

5 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 ビデオ・カメラについては、ベータ方式のものが調達されたが、他の機関から配付されるビデオ・テープを使用する際には、常にベータ方式へのダビングが必要となっており、非効率となっている。機器の選定に当たっては、メーカーによって異なるシステムを導入している機器については、近年におけるメーカーの頻繁なモデルチェンジも考慮の上、今後とも慎重な検討が必要があると考える。


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