(1998年3月、在フィリピン大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1990年度、91年度 |
協力金額 | 10.01億円、6.49億円 |
相手国実施機関 | 公共事業・道路省、保健省 |
協力の内容 | 農村地域住民の衛生状況を改善し、生活水準を向上させるため、無償資金協力により給水施設及び衛生施設を建設する。 |
〈評価要旨〉
1 目標達成度
最低限必要な生活用水が確保され、生活水準が向上した。水量及び水質上問題のあった地域においては、 代替水源が提供された。稗益人口は、給水施設については4万2,000人、学校トイレについては8万2,000人と考えられる。
2 インパクト
学校トイレが建設され、生徒に対する衛生教育が熱心に行われたため、衛生的習慣の普及促進がおおむね 達成された。地域によっては住民らの自助努力により当初予定していた地域外にも水が供給されている。
3 妥当性
農村地域住民のうち、特に最貧困層に対し、適切な飲料水と衛生施設を提供することを主眼とし、生活水準の向上、社会・経済発展に資するプロジェクトであり、妥当性が認められる。
4 自立発展性
給水施設の維持管理は、利用者から徴収された料金により、水道管理組合が行っている。学校トイレについては父母を中心とした地域住民と教職員により、維持管理されている。
5 今後必要とされるフォローアップ
当初見込みより水の需要が増加している地域においては、早晩給水量の不足や水源の枯渇が起こることが 予想される。水道管理組合の会計処理がきちんと行われていないことが多く、所管官庁である内務・地方自治省が水道管理組合に対する技術指導を行うことが必要である。政府より日本に対し技術指導のための専門 家の派遣が要請されている。
6 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
多数の小規模なサイトを短期間に同時に施行することは、施設の品質を維持することと両立しないこともあり得る。サイト数の多い案件については、施行に際してある程度の設計変更があり得ることを見込んだ柔軟な対応が求められる。