(1998年1、2月、在中国大使館)
援助形態 | 無償資金協力 |
協力年度 | 1993年度 |
協力金額 | 7億円(3.75億円(山西省)、3.25億円(陳西省)) |
相手国実施機関 | 対外貿易経済合作部、農業部省農業庁 |
協力の内容 | 農薬、肥料、農業機械、車両を供与した |
〈評価要旨〉
1 目標達成度
プロジェクト実施前と比較し、食糧生産量、農民所得とも高い伸び率を示している。また排水改良と新技術の導入などにより農作物の作付け体系が改善されている。山西省では農地造成を積極的に行ったので、農民所得は2倍以上増加している。
2 インパクト
土地条件の改善と機械化により労働時間が短縮され、余剰の時間を他に向けることが可能となった。
3 妥当性
それぞれの実施地区の自然条件は異なるが、ともに資金不足、低レベルの技術水準のため、生産性の低い貧困地域である。他方、食糧増産援助の実施にあわせて、弁公室を組織し、自己資金をも活用し各種事業を実施するなど農業発展意欲の高い地域であり、プロジェクト選定は適切であった。
4 自立発展性
省・市・県等のレベルごとにプロジェクト事務局を組織し、適切な実施に努めている。プロジェクトの計画および見返り資金の用途などについては、各の弁公室がその上部機関の承認を得ることとしている。また、実施に移行した後においても、適時検査を行い、基準に合わないものは、計画を取り消すなどの措置を講じている。見返り資金の利用については、生産基盤整備、技術普及、種子工程など農業分野に限定して使用している。
5 環境・ジェンダーへの配慮・影響
農薬中毒被害者が減少し、また、水土流出などの被害が改善されている。技術指導の重視により女性の地位と文化水準が向上し、また、機械の導入により女性が重労働より解放されてきている。
6 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項
広大な中国においては、資材配布、技術指導のため、ある程度の車両が必要となることも事実であり、車両供与についても国情を配慮した対応が必要である。