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中国石臼港第2期延段計画


(1998年4月、在中国大使館)


〈プロジェクト概要〉
 援助形態  有償資金協力(円借款)
 協力年度  1991年度、92年度
 協力金額  25.06億円、35.83億円
 相手国実施機関  相手国実施機関 交通部
 協力の内容  中国山東省の石臼港に雑貨バース5基(年間貨物取扱能力220万トン)を建設し同港の整備を行う。


〈評価要旨〉

1 目標達成度

 雑貨バースの建設により取扱い貨物も多様化され、鉄道輸送力の有効利用も図られており、港の所在する日照市と後背地域の経済発展に役立っている。

2 インパクト

 石臼港の周辺に位置する青島港、連雲港の港湾の混雑を緩和した。

3 妥当性

 年間貨物取扱量は毎年増加し、設備は有効に使用されている。収益性についても僅か2年で運営利益を出しており、取り扱い貨物の多様化により鉄道輸送力の有効利用も図られている。これらから、事業の選定と形成は適切であったと判断される。

4 自立発展性

 プロジェクト完成後の管理は、日照港湾局の下に設立された民間企業が実施しているが、港内は整然と整理が行われ、トラブルや問題の発生もなく、維持・管理は良好に行われている。

5 ジェンダーへの配慮

 環境観測ステーション、観測車両を配置して、水質、騒音、廃棄などの調査を行ってきているが特段の問題はない。

6 今後必要とされるフォローアップ

 第3期建設計画として雑貨バース、木材チップバース、石油バースを建設する計画を有しており、フィージビリティなどが確認されることを前提として日本の公的資金が投入されることが望まれる。

7 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 為替変動による償還問題(フィージビリティ調査時には、1元=30.4円、1991年の着工時には1元=28.6円、95年の竣工時には1元=12.1円)について実施機関の為替リスクに対する意識が低いことから、今後為替リスクは借り手が負担すべきことについてさらに明確にしていく必要がある。


(写真)雑貨バース


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