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中国 二都市(武漢、黄石)道路橋建設計画


(1998年3月、在中国大使館)


〈プロジェクト概要〉
 援助形態  有償資金協力(円借款)
 協力年度  1990年度
 協力金額  84.60億円
 相手国実施機関  建設部、交通部
 協力の内容  長江沿いの主要都市である武漢市及び黄石市における交通渋滞を緩和し、両都市の経済発展を促進するため、円借款により、武漢長江第二大橋及び黄石長江大橋を建設する。


〈評価要旨〉

1 目標の達成度

 武漢長江第二大橋における自動車交通量は、開通以来順調に増加しており、現在は、計画交通容量5.0万台/日に対し、4.8万台/日となっている。黄石長江大橋も、開通前のフェリーでの交通量が95年で48.5万台/日であったのに対し、開通後の交通量は、96年で約2倍の90.7万台/日となっている。

2 インパクト

 橋の建設は、地域間の交流を促進するとともに、周辺地域の経済発展に大きく寄与した。武漢では、橋梁周辺地域の不動産開発が促進された。黄石では、橋を介して黄石の工業製品の市場が長江対岸へ大きく広がるとともに、周辺農村から安価な農産物が流入した。

3 妥当性

 このプロジェクトは、中国政府の国民経済・社会発展第8次5か年計画で重点プロジェクトに指定された長江4橋のうち2橋を建設するものであり、交通部の幹線国道整備計画、湖北省及び武漢市の交通計画に整合を図りつつ計画されたものである。また、同時に整備されつつあった武漢~宜昌、武漢~黄石の2本の高速道路と一体となり、湖北省を東西に貫く高速国道幹線を構築するものである。

4 自立発展性

 両橋とも、管理組織・予算ともに確保されており、完成した橋梁を自力で管理していくことは可能である。武漢では、すでに計画交通量に達しており、まもなく容量を超える見通しであるが、武漢市全体の道路整備計画に基づき、すでに第三大橋の建設を始めている。黄石では、交通量の伸びが緩やかであるが、徴収料金の中から管理費用は十分捻出されている。

5 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 このプロジェクトによる橋梁は、長江による地域分断を解消するとともに、内陸部経済の動脈である高速幹線道路の中核をなすものであり、地域経済の浮上に大きく役立っている。中西部地域の経済環境を改善する観点から、今後とも円借款による大型経済インフラが整備されることが望まれる。


(写真)黄石長江大橋


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