(1995年9月~1996年1月農業省Dr. Myint Thinによる評価)
<案件概要>
1. 援助形態 :無償資金協力
2. E/N署名日 :1983年6月29日
3. 協力金額 :15.50億円
4. 相手国実施機関 :貿易省農産物取引公社
5. 協力の内容 :穀物の収穫後処理過程において量的・質的損失が生じている状況に鑑み、収穫後処理技術の開発と研修を行うセンター(PTAC)の建設及び研修用機材を供与した。
<評価要旨>
1. 案件の維持管理状況
(1) 現在の組織は当初計画時からマーケティング、経済部門を除いた5部門に58名(計画時の7割程度)の職員(うち39名が技術者)が配置され、研究室、精米施設、修理棟とも全て順調に機能していた。
(2) 予算は一般割り当て分の他に、品質検査サービスや情報誌の販売による独自の収入も活用しており、施設機材は順調に稼働していることから、現時点では特に問題はない。
(3) 中央農業開発訓練センター(CADTC)が収穫前の技術普及を担当しているのに対し、本件は収穫後の技術普及を担当していることから、現在以上に両者は相互に緊密に連携を取り合い(例えばPTACの技術者がCADTCにおいて研修講師を務める等)、国内外の需要に見合った高品質の農作物に貢献することを提言する。
2.当初目的の達成度及び効果
(1) 本評価対象案件は当時の国家開発20年長期計画に則ったものであり、当国のニーズに合致した協力がなされているとともに、現政権の国家経済目標の下でも重要な位置を占めている。
(2) 社会・経済的観点では、長期的経済発展に寄与しつつ、草の根レベル、特に農村の貧しい営農者の生活水準の向上にも裨益する協力が実施されていることから、当国と日本の緊密な関係構築にも間違いなく貢献していると言える。
(3) 農薬の適正使用等の関係で環境への影響も配慮した指導を行っており、また、本件協力実施により間接的に女性の参画、農村での雇用創出といった点でも効果が出ている。
3. 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア
施設建設に引き続いての技術協力の実施が望まれる。今後とも農産物の品質向上はミャンマーの大きな課題の一つであるので、本件施設を利用した収穫後処理技術の研究、普及はますます重要となる。