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第六章 被援助国関係者による評価

韓国/映川多目的ダム建設

(1995年12月財政経済院国庫局 金 今男筆頭課長補佐による評価)

<案件概要>

1. 援助形態 :有償資金協力

2. 協力金額 :204.00億円

3. E/N署名日 :1983年10月11日

4. 相手国実施機関:韓国水資源開発公社(KOWACO)

             (当初は産業基地開発公社)

5. 協力の内容 :本件は、韓国全人口の約3分の1を抱える洛東江流域への生活用水、工業用水の安定的供給のほか、同流域の洪水被害の減少、補助的な電力供給を目的とした多目的ダム(洛東江支流の黄江に建設)の建設事業に対し、その総工費の約21%にあたる資金を供与したものである。

<評価要旨>

1. 案件の維持・管理状況

 運営・維持管理はKOWACOが担当しているが、十分な人員を投入しており、現時点では維持管理に関する問題点はないと思われる。資金調達面では、国庫支援が全体の23.4%である614億ウォンにすぎず、借入規模が過多(1,190億ウォン)であったことから、今後、用水料引き上げ圧力として現れる可能性が大きい。

2. 当初目的の達成度及び評価

(1) 用水供給

 陝川多目的ダムの用水供給能力は年間599百万立方メートルで、釜山、馬山、鎮海等、洛東江下流地域へ生活および工業用水を520百万立方メートル、灌厩用水を32百万立方メートル、河川維持用水を47百万立方メートルを安定的に供給することができ、国家経済発展に大きく寄与している。

(2) 洪水調節

 韓国の他の地域と同様に、陝川下流地域も夏期長雨期間中の集中豪雨による都市・産業基幹施設、農耕地への洪水で、過去、大小の洪水被害が毎年繰り返されていたが、陝川多目的ダム建設で洪水被害を大きく軽減することができるようになった。

(3) 電力供給

 陝川ダムの水力発電能力は年間234百万キロワットアワーであり、無公害水力エネルギーの供給により領南地域の電力需要に円滑に対応している。また、この石油代替エネルギー(火力発電の代替)により外貨節約を図っている。

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