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キリバス/漁船員育成計画

(1996年1月在フィジー大使館)

<案件概要>

1. 援助形態 :無償資金協力

2. 協力金額 :1.30億円

3. E/N署名日 :1988年11月11日

4. 相手国実施機関:労働雇用組合省

5. 協力内容 :キリバス共和国ベシオにある既設商船員養成学校内に新たに漁業科」コースが施設されたことを受け、同コースの円滑な実施のため校舎等の施設の建設及び漁業訓練用機材の供与等を行うもの。

<評価要旨>

1. 案件の維持・管理状況

 機材については特段の問題は見られず、漁業訓練用に活用されている。しかし、キリバス政府の決定により「漁業科」コースが商船員養成学校から分離、独立したため、供与した施設の一部が「漁業科」コースの活動のために使用されていない。

2. 案件の選定・形成の適正度

 キリバスにとって漁船員の育成は極めて需要が大きく、特に長期航海に耐え得る十分な経験を積んだ人材の養成は重要であることから、本案件の選定・形成は概ね適正なものであったと考えられる。

3. 当初目的の達成度及び効果

 89年5月に第一期コースが開始されて以来、これまでに約250人の卒業生が輩出され、現在、第十、十一期生が訓練を受けている。本件機材供与決定以降、JICAや民間団体からの専門家派遣や機材供与が行われてきていることもあり、協力による効果は着実に表れつつある。多くの卒業生(約190人)が日本の漁船に雇用される機会を得て日本船に乗船しており、彼らの家庭送金は大きな外貨獲得源となっており、彼らの家族が受ける便益も大きい。また、離島からも訓練生を募っていることによる国全体への波及効果もある。

4. 環境への影響/WID(途上国の女性支援)への配慮

 環境については特段の問題はみられない。また女性を直接に対象とした案件ではないが、漁船員の海外送金により婦人の生活が向上する場合はあり得ると思われる。

5. 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア

 現在の「漁業科」コースの敷地のさらなる施設整備に関する協力の検討、及び当初目的に基づいて使用されていない施設についての今後の対応の検討等幾つかの課題がみられる。

6. 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 「物」の供与と合わせた「人的」協力(技術協力)の実施により案件の効果を一層高めることができる。

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