(1995年12月在メキシコ大使館)
<案件概要>
1. 援助形態 :有償資金協力
2. 協力金額 :61.86億円
3. E/N署名日 :1990年10月17日
4. 相手国実施機関:メキシコ国鉄
5. 協力の内容 :メキシコ国鉄所有のディーゼル機関車(計60両)の修復用資機材を購入し、メキシコ国鉄保有工場内で車輌を修復。これにより、鉄道輸送力を強化し、トラック輸送の増加を抑え環境問題の悪化防止に寄与するもの。
<評価要旨>
1. 案件の維持・管理状況
修復事業を実施した60両の機関車の状況につきメキシコ国鉄に照会したところ、事故に遭遇した一両以外は良好な状況にあり通常通り運用されている。更に、評価者が実際に3カ所の保守工場を訪問し、視察及び担当技術者からのヒアリングを行ったところ、車輌は全て良好な状況であり、問題なく運用されていた。
2. 案件の選定・形成の適正度
基本的には、国鉄の輸送力強化によりトラック輸送の増加を抑制しトラック輸送の増加による環境の悪化を防ぐことに貢献。但し、国鉄の貨物輸送に対する需要増加のためには、トラック貨物輸送に対する競争力の増強も必要。
3. 当初目的の達成度及び効果
本件で修復された機関車60両は、事故により損傷した1両を除き問題なく運用されており、また、輸送量も修復された機関車が運用を開始するにつれて順調に回復しており、当初目的は達成されたといえる。また、2重連の機関車は約5千トンの貨物列車を牽引でき、これはトラック約250台分に相当することを考えると環境保全にも大きく寄与している。
4. 環境への影響/WID(途上国の女性支援)への配慮
鉄道輸送力の強化によりトラック輸送量の増加を抑制し、環境保全に寄与。また、老朽化ないし故障した機関車を修復するリサイクル・プロジェクトとして省資源にも寄与。
5. 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア
特になし。