(1996年1月在ペルー大使館)
<案件概要>
1. 援助形態 :無償資金協力、プロジェクト方式技術協力
2. 協力金額(億円):(無償)1980年度10.00億円、1981年度12.00億円
3. E/N署名日 :(無償)1980年9月3日、1981年6月9日
協力期間 :(プロ技)1980年5月~1987年5月
(1991年4月~92年3月、アフターケア協力)
4. 相手国実施機関:厚生省
(地域精神衛生センター・オノリオ・デルガード・野口英世)
5. 協力の内容 :地域精神衛生センター建設及び同センターに対する精神障害者治療のための技術協力。
<評価要旨>
1. 案件の維持・管理状況
無償資金協力にて建設された精神衛生センターの建物は15年を経過した現在でもほぼ完壁な状態で維持管理されており問題はない。供与機材のうち検査機材は旧式であるがほとんどが利用されている。他方、コンピューター(形式が古くなり、自己資金にて購入した最新型の機材と互換性がない)及び視聴覚機材(当国の汎用方式でなくなりソフトがない)は利用されていない。また、厚生セクターの予算不足により医師の数は十分でなく供与機材の使用時間も短くなっている。
2. 案件の選定・形成の適正度
本案件はリマ市における急激な人口増加に伴う精神障害者の増加に対応するため無償資金協力によりセンターを建設し、その後プロ技協により、精神障害の早期診断及び治療を可能としたものであり、その技術移転も適格に行われたことを踏まえると選定及び形成は適正であったと考える。
3. 当初目的の達成度及び効果
リマ市における急激な人口増加に伴う精神障害者の増加に対応するという当初目的を達成している。さらに現在当施設では全国で32ある精神衛生センター施設の中核として精神医療に関する会合等も行われ、その効果はペルー全体に及んでいると考える。
4. 環境への影響/WID(途上国の女性支援)への配慮
特になし。
5. 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア
本案件は無償資金協力から約15年、機材供与(アフターケア協力)からも5年が経過しており、修理不能機器及び旧式で余り有用でない機材も出てきていることから、フォロー・アップによる新たなる機材供与が望まれる。