(1996年2月在ジャマイカ大使館)
<案件概要>
1. 援助形態 :有償資金協力
2. 協力金額 :47.20億円
3. E/N署名日 :1988年6月10日
4. 相手国実施機関:水道公社
5. 協力の内容 :一般河川への取水用小規模ダムの建設、浄水場建設、既存貯水池への送水管敷設工事、及び貯水池から市内にいたる幹線配水網の拡張
<評価要旨>
1. 案件の維持・管理状況
本件上水道システムの運用については3名ごとのチームが組まれ昼夜3交代24時間勤務体制が敷かれている。運用開始にあたり4名の技術者養成訓練を行っており、現状では極めて順調に運用されている。
2. 案件の選定・形成の適正度
外貨獲得の手段に乏しい当国にとっては自然環境を売り物にした観光産業は外貨獲得源として重要であるが、観光産業の中心であるモンテゴベイ地域は87年には深刻な水不足に見舞われ観光誘致を行うに当たり飲料水の確保が急務であった。このような状況を踏まえると、本件協力はその時期、内容ともジャマイカ側のニーズに適切に応える事業であったといえる。
3. 当初目的の達成度及び効果
貯水池には、河川の渇水期でも十分に水量が確保されており、貯水池への浄水供給に係る当初目標を十分に達成している。
4. 環境への影響/WID(途上国の女性支援)への配慮
取水ダム工事の際、一部河川の付け替えを行ったが、高温多湿の気候であることもあり、5年後の現在同区域は全く工事前の状態に戻っており、又送水パイプも地下敷設を原則としているため環境上の問題点は全くない。
5. 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア
本件プロジェクトについては、ポンプ用モーター等についても保証期間が十分とってあり、特にアフターケア上問題となるような事項は予見出来ない。