(1996年3月在グアテマラ大使館)
〈案件概要〉
1. 援助形態 :無償資金協力
2. 協力金額 :1.98億円
3. E/N署名日 :1991年2月4日
4. 相手国実施機関:農牧食糧省畜産総局
5. 協力の内容 :零細漁業振興のための資源材供与。
<評価要旨>
1. 案件の維持・管理状況
本案件は、漁民への技術指導部門、流通部門並びに研究部門の3部門で構成される。技術指導部門、流通部門では製氷設備、保冷庫、船外機ボート等主要供与機材が活用され、また製氷施設の氷の販売益を維持・管理費に充てるという工夫をして成果を上げている。一方、研究部門は、いまだ機材を設置する施設が確保されていないため、その大宗は有効に活用されていない。
2. 案件の選定・形成の適正度
事前の調査・協議の不足により、案件形成が不十分であったと考えられる。当国が潜在的漁業資源国であることから、水産無償自体の実施は誤りでないものの、当国における水産業の低い位置づけに配慮した案件選定・形成が行われるべきであった。
3. 当初目的の達成度及び効果
各部門毎に異る。漁民への技術指導部門については、氷の販売益により研修施設が建設され、青年海外協力隊による漁労指導も行われており、十分な成果をあげている。流通部門においては、本プロジェクトにより水揚げされた魚類の市場販売とプロジェクト自体の販売所での販売を行っているが、本格的な流通・商業化のレベルには達していない。研究部門については、養殖センターで使用されている機材以外は未使用で達成度は極めて低い。
4. 環境への影響/WID(途上国の女性支援)への配慮
特になし。
5. 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア
短期的には、研究機材の再活性化が必要である。さらに、漁業資源調査を実施し、その結果に基づいた漁業部門の持続的開発戦略策定を支援する必要がある。
6. 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓とされるべき事項
十分な事前の調査協議を行ない、政策動向、実施機関の能力などプロジェクトの当該セクターの実状を正しく把握することが重要である。