広報・資料 報告書・資料

前のページへ / 次のページへ

ケニア/ムエア灌漑開発計画

(1996年2月在ケニア大使館)

<案件概要>

1. 援助形態 :無償資金協力

2. 協力金額 :1989年度12.64億円、1990年度8.96億円、1991年度5.97億円

3. E/N署名日 :1989年6月23日、1990年6月25日、1991年7月12日

4. 相手国実施機関:国家灌漑庁

5. 協力の内容 :ムエア地区の米の生産の安定的向上を目指しケニア政府が策定したムエア灌漑計画を支援するため、(1)灌漑施設の新設、改修 (2)パイロットファームの整備 (3)農業機械等の供与 (4)ワークショップ建設等の農業基盤を整備。
             

<評価要旨>

1. 案件の維持・管理状況

 農業用水路等の灌漑施設の管理状態は問題なし。パイロットファームでの技術開発、普及も順調である。農業機械、ワークショップの機械についても、修理しながら、良好な状態で保守されている。

2. 案件の選定・形成の適正度

 ムエア地区は土壌的に水稲作に適した地帯であるとともに、首都ナイロビを市場とする一大先進稲作生産地である。国内米生産量の過半を同地区で生産しているものの、輸入米が6割近くあり、その自給率の向上、外貨確保の観点から当該生産地での生産体制の強化は必要であり、プロジェクトの選定としては適切であった。

3. 当初の目的の達成・効果

 水不足による収量の増減のため農民所得が乱高下していたが、農業用水路の開設とその適切な管理により水の供給が安定し、農民の安定した収入の確保につながっている。また、現金収入も増加しており、農民の生活が改善している。

4. 環境への影響/WID(途上国の女性支援)への配慮

 プロジェクトサイトでの研修において女性の参加はこれまで平均して2割程度であるが、1995年には初めて女性だけの参加による研修を開催し、当該地域の農業の担い手たる女性にスポットを当てた。

5. 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア

 トラクター等の農業機械の修理について、ケニア側は修理技術はあるものの部品調達が困難であることから、将来的に部品の不足が見込まれる。

(1991年2月~1996年1月までプロジェクト方式技術協力、1998年1月までフォローアップ協力を実施。)

6. 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされる事項

 日本製の機械は、部品が高価であり、かっ調達が難しいため、部品調達が容易で、修理を速やかに行えるヨーロッパ製の農業機械を調達する等の配慮が必要。

 

(写真)地方電気通信網整備計画(イエメン)、マケレレ大学基礎科学教育施設整備計画(ウガンダ)、小規模漁業振興計画(ギニアビサウ)、ムエア灌漑開発計画(ケニア)

 

前のページへ / 次のページへ

このページのトップへ戻る
目次へ戻る