(1996年3月在エジプト大使館)
<案件概要>
1. 援助形態 :無償資金協力
2. 協力金額 :5.00億円
3. E/N署名日 :1980年6月8日
4. 相手国実施機関:アスワン州及びハイダム湖開発庁
5. 協力の内容 :ハイダム湖を含むナイル川流域の水産資源維持及び漁業コントロールを図るための漁業管理センターの建設・設立、調査船の供与等。
<評価要旨>
1. 案件の維持・管理状況
水産資源管理センター棟の建物は、適切に管理されている。また、調査船についてもよく整備されており、管理状況は良好である。
養殖池及び養殖池管理棟についてもよく管理されているが、81年に建設されて15年が経過しているため、ブロー管等に一部老朽化がみられる。
2. 案件選定・形成の適正度
当センターは、ハイダム湖の漁業資源の維持・管理を図る唯一の調査研究機関として自立的に活動を継続、展開していることから、本案件の選定・形成は適切であったといえる。
3. 当初目的の達成度及び効果
漁獲状況調査・水質観測等のナセル湖の状況把握技術、養殖技術開発等に一定の成果を得ており、特に主要魚種であるティラピアの種苗放流を実施し、一部漁獲増加がみられる地域も存在する。また、各種漁網の網目選択適性試験の実施による漁業規制等、調査研究を通じた成果を行政に反映しているなど、本供与の目的は十分に達成されている。
4. 環境への影響/WID(途上国の女性支援)への配慮
特になし。
5. 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア
湖水の環境変化の解析、種苗放流、養殖技術、加工・輸送技術について技術協力の継続を要望しており、今後とも個別専門家の派遣による対応が必要である。また、日本製測定器具のスペア・パーツの補充・更新も必要とされている。