(1996年3月在バングラデシュ大使館)
<案件概要>
1. 援助形態 :有償資金協力
2. 協力金額 :103.43億円
3. E/N署名日 :1988年12月6日
4. 相手国実施機関:バングラデシュ化学工業公社
(BCIC:Bangladesh Chemical Industry Corporation)
5. 協力の内容 :ゴラサール尿素肥料工場の改修・設備の近代化
<評価要旨>
1. 案件の維持・管理状況
最新データ(93/94年)によれば、年間生産量381千トン(前年比31%増)、稼働率112%と順調なパフォーマンスを示しており、維持・管理状況も概ね良好で特段の問題はない。
2. 案件の選定・形成の適正度
バングラデシュにおける食料増産のための肥料需要の急増に応え、同国内に比較的豊富に存在する天然ガスを原料として尿素肥料を生産する本工場の稗益性は極めて高い。本工場は首都ダッカからも近い上、かって東パキスタン時代に我が国が輸銀円借款を供与した実績もあり、案件選定は適正であった。形成においても大きな問題なし。
3. 当初目的の達成度及び効果
93/94年において年間生産量が前年比31%増、生産コスト単価17%減と良好なパフォーマンスを示している。目標とされたアンモニアプラント増強(660トン/日→825トン/日)、尿素肥料プラント生産能力拡大(340千トン/年→470千トン/年)もほぼ達成された。
4. 環境への影響/WID(途上国の女性支援)への配慮
環境については大きな影響なし。1994年6月にUSAID資金によって行われた環境アセスメントでもアンモニア排出量を含め概ね問題なしとの報告がなされている。また、今次改修の際、砒素を使用するC02除去プロセスが廃止された。
秘書部、アドミニストレーション部等において一定の女性の雇用が図られている。
5. 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア
今次リハビリ対象外の施設の一部に劣化が認められるので今後ともリハビリニーズの把握に努める必要がある他は特になし。