広報・資料 報告書・資料

前のページへ / 次のページへ

パキスタン/バルチスタン州沿岸漁業開発計画

(1996年3月在パキスタン大使館)

<案件概要>

1. 援助形態 :無償資金協力

2. 協力金額 :4.14億円

3. E/N署名日 :1993年6月14日

4. 相手国実施機関:バルチスタン州沿岸開発漁業部

5. 協力の内容 :漁業資機材の供与

            船内機:100台、船外機:800台,魚群探知機10台

            ワークショップ機材:8セット,漁網資材:50,000キログラム

<評価要旨>

1. 案件の維持・管理状況

 個人向け船外機、船内機の配布は終了しており、配布名簿、台帳を確認した結果、配布は適正に行われているものと判断される。配布機材のメンテナンスに必要なワークショップについても、人員、予算とも特に問題なし。見返り資金も適正に積み立てられていた。さらに操業中の漁船(供与機材搭載)も一部確認した。

2. 案件の選定・形成の適正度

 水産業の他に見るべき産業がないバルチスタン州沿岸地域では、大多数の世帯の家計が漁業に依存しており、漁家の購買力が一般に低い状況下においては、基本的な漁業資材の低コストによる供給を目的とする本計画の意義は大きい。

3. 当初目的の達成度及び効果

 漁船の運航距離、運航速度の改善により、漁獲量、漁獲高とも大幅に増加している。

4. 環境への影響/WID(途上国の女性支援)への配慮

 漁獲量の安定化を背景として、最近PASN1漁港内に民間の水産加工業者が進出し、加工作業のための女性の雇用が始まった。本計画のインパクトの一つと考えられる。

5. 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア

 魚群探知機の活用に関し、先方は専門家の派遣を要望している。

6. 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 本計画地域の漁民のほとんどは学校教育を受けておらず、漁民自身が機械操作やメンテナンスを習得するのに多くの時間を要している。

 識字率の低い地域に対する機材の供与に当っては、漁民訓練のコンポーネントも併せて検討する必要がある。

 

(写真)GWADAR供与された船外機を装着した漁船、PASNI操業中の漁船、漁港桟橋でのセリの風景

 

前のページへ / 次のページへ

このページのトップへ戻る
目次へ戻る