(1996年3月在インド大使館)
<案件概要>
1. 協力形態 :有償資金協力
2. 協力金額 :15.00億円
3. E/N署名日 :1981年9月3日
4. 相手国実施機関:オリッサ州電力庁
5. 協力の内容 :発電機、タービンの調達・敷設のための資金の供与
<評価要旨>
1. プロジェクトの維持・管理状況
発電設備はヒラクド水力発電所の他の6基の発電設備に比較して新しいこともあり、よく整備・管理されているとの印象を受けた。本件発電設備導入以来大きなトラブルは発生していない由。
2. プロジェクトの選定・形成の適正度
本件は、同州の電力需要の増大を背景に、雨期の余剰水力の有効活用を図り、またピーク需要時の発電能力を向上させるとともに、発電所全体としての発電量を維持しつつ老朽化しつつある既存発電設備のリノベーションを可能にする、時宜を得たプロジェクトである。
3. 当初目的の達成度及び効果
本件発電設備は敷設以来、年平均200ギガワット・アワー程度を発電してきており、右はヒラクド第一発電所の全発電量の4分の1以上を占める。また、本件発電設備の導入により、老朽化の進んでいる他の6基の発電設備のリノベーションが順次行われつつある。
4. 環境への影響/WID(途上国の女性支援)への配慮
本件は、既往のダムを利用するためダムの新規建設や拡張を伴うものではなく、環境問題や付近住民の立ち退き等の社会問題は惹起していない。また下流地域の灌漑用水等の水利上の問題も生じていない。雇用等において特段女性に配慮した施策はとられていない。
5. 今後必要とされるフォロー・アップないしアフターケア
本件発電設備については、これまで順調に運転されている。他方本件以外の6基の発電設備は順次リノベーションを行っているところ、発電所側からは右に際しての我が国の技術、円借款に対する期待が繰り返し表明された。