(1995年8月在モンゴル大使館)
<案件概要>
1. 援助形態 :無償資金協力
2. 協力金額 :50.00億円
3. E/N署名日 :1977年3月17日
4. 相手国実施機関:通産省
5. 協力の内容 :我が国のモンゴル支援の初めての案件として、主要産品であるカシミアの製品工場を建設。
<評価要旨>
1. 案件の維持・管理状況
本工場年間売上高は4,000万ドル、35~40%の粗利益があり財務状況は良好である。工場は約千名の従業員を雇用。設備は古いものの完全に稼働しており、プロジェクトの維持・管理状況は良好である。
2. 案件の選定・形成の適正度
本工場は、日本からの技術支援も得て、現在までの15年間安定的に運営されている。また、建設当時は唯一のカシミア工場として国家財政の収入増と雇用の拡大を達成した。
3. 当初目的の達成度及び効果
当初はコメコン各国に製品が輸出され、1986年以降の混乱期には西側先進国からの貴重な外貨を得る手段として活躍した。現在でもカシミアの輸出はエルデネット鉱山の銅鉱石の輸出に次いで外貨の獲得に貢献している。
4. 環境への影響/WID(途上国の女性支援)への配慮
染色工程で汚水を排出する恐れがあるが、工場側の説明では浄化装置により沈殿させ濾過して配水しているとしている。従業員の大半が女性で雇用機会を提供している。女子寮もあり、工場への就職希望者は多い。
5. 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア
民間企業との競争に直面しているが、収益を上げており、今後の企業努力が望まれる。