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フィリピン/自動車検査用機材整備計画

(1996年3月在フィリピン大使館)

<案件概要>

1. 援助形態  :無償資金協力

2. 協力金額  :5.83億円

3. E/N署名日 :1986年12月29日

4. 相手国実施機関:運輸通信省、陸運局

5. 協力の内容 :フィリピンに新たに導入された自動車検査制度の下で、サンフェルナンド市の他計4カ所に設置された自動車検査場に対し、自動式車検用機材を供与。

<評価要旨>

1. 案件の維持・管理状況

 サンフェルナンド検査場については、1992年7月の業務開始以来、維持・管理はエンジニア2名を含む7名のスタッフが行っている。大型車は1台75ペソ、小型車は1台50ペソ(1ペソ=約4円)の車検料を徴収しており、1995年末までに累計約3万台の車両に対し検査を実施した。無償で供与した機材は現在も稼働しており、整備・管理状況は良好である。

2. 案件の選定・形成の適正度

 当国の車検制度は、交通事故の多発、交通渋滞や排気ガスによる公害という社会問題を解決するための手段として導入されたものである。車検によって車両の安全性を確保することは、車の所有者のみならず、国民全体の生活と環境保全に益するものであり、本件プロジェクトの策定及びそれに対する無償資金協力は時宜を得たものであり、適正であった。

3. 当初目的の達成度及び効果

 車検による整備状況改善により、整備不良車が発出する排気ガスや騒音の減少、事故の減少、またこれらの減少による渋滞の減少や燃料の節約など、車検制度の効果は大きい。また、車検制度が導入されたことにより、車の整備工場の雇用機会の増加や部品生産の増加などの経済波及効果も今後ますます期待される。

4. 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア

 サンフェルナンド検査場は、1992年7月の業務開始後、電力不足による停電の頻発及び経年劣化により、年々補修費が増大しており、機材の買い替えなど大幅なリハビリの必要性が起こってくることが予想される。今後、運輸通信省に対しては計画的な予算措置を講ずるよう指導するとともに、我が国としてもリハビリ援助等の形でプロジェクトの維持・発展のための支援を行っていくことが望ましい。

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