(1996年3月在フィリピン大使館)
<案件概要>
1. 援助形態 :有償資金協力
2. 協力金額 :104.20億円
3. E/N署名日 :1977年12月21日
4. 相手国実施機関:国営電力公社、国家電化公社
5. 協力の内容 :電化が遅れているルソン島北部カガヤン・バレイ地区の電化率向上のため、アンブクラオ水力発電所よりの送電線・配電線を敷設し、変電所を建設するための資金協力。
〈評価要旨〉
1. 案件の維持・管理状況
現在保有する設備のメンテナンスには十分な予算が割り当てられており、円借款により建設された送電線、変電所は全て機能している。
一部区間は台風被害により木柱の送電塔によって代用されているほか、援助実施から年数が経過して送電塔の老朽化が目立っ部分もあるが、全体としては非常によく整備されている。
2. 案件の選定・形成の適正度
送電線部門における援助に対する高い必要性が要請の背景にあり、案件の選定・形成は妥当に行われている。
3. 当初目的の達成度及び効果
1990年には電化率は45.7%にまで上昇し、当初目的は順調に達成されたものと思われる。
4.環境への影響/WID(途上国の女性支援)への配慮
環境への影響は特にない。また、女性に対する特段の配慮を行っている事業ではない。ただし、電化による女性労働の軽減には貢献している。
5. 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア
本件プロジェクトは特段のフォローアップを要求される状況にないが、電力需要の伸長を勘案すると、この地域に対する送電能力強化を目的とした新たなプロジェクトの形成が必要と思料する。