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インドネシア/ジェネベラン川下流緊急治水

(1995年11月在インドネシア大使館)

<案件概要>

1. 援助形態  :有償資金協力

2. 協力金額  :53.81億円

3. E/N署名日 :1984年7月14日

4. 相手国実施機関:公共事業省

5. 協力の内容 :ジェネベラン川下流の洪水流下能力を増強するために河道改修を行うとともに、ウジュンパンダン市内の内水排除を円滑にするための排水路の整備を行う。

<評価要旨>

1. 案件の維持・管理状況

 堤防の維持・管理は公共事業省の所管で、現地のジェネベラン川流域開発事務所が実施しており、組織、体制上の問題点はない。また高水敷の耕作権を現地事務所が管理したうえで農民に貸与しているため、堤防、高水敷、管理用通路の除草等簡単な維持・管理は農民が行っており、管理状況は良好である。

2. 案件の選定・形式の適正度

 ウジュンパンダン市は東部インドネシア最大の都市であり、東部インドネシア開発の拠点として大きく期待されている。同市の発展のために不可欠な洪水・浸水対策は急務であり、本プロジェクトの選定は適切である。

3. 当初目的の達成度及び効果

 しばしば浸水に悩まされていた旧市街地も、排水路の整備により浸水被害は大幅に減少し、環境面での改善にも寄与している。

4. 今後必要とされるフォローアップないしアフターケア

 河口部において導流堤を建設し一応の河口閉塞への対策を実施したが、10年単位で考えると流下土砂の動向が必ずしも明確でなく、今後の状況を監視しつつ必要に応じ対応を講ずることもありうると考えられる。

5. 将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされるべき事項

 計画の基になるJICA開発調査では、下流河道改修と上流ダムの組合わせによる洪水防御計画となっていた。このうち、当面は事業実施に際しての社会的影響の小さい河道改修を先行させ、それと並行して上流ダムの計画の熟度をインドネシア政府と協力して高めた。ダム事業のように社会的影響が大きい事業については、本件のように段階的に事業を実施しっっ熟度を高めていく手法が有効と思われる。

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