(1996年3月在インドネシア大使館)
<案件概要>
1. 援助形態 :プロジェクト方式技術協力
2. 協力期間 :1988年7月~1995年7月
3. 相手国実施機関:林業研究開発庁(林業省改組前は林業省治山総局)
4. 協力内容 :東部インドネシア地域開発の拠点であるウジュンパンダンに注ぐジェネベラン河上流の最上流部に治山モデル施設を施工し、各工種別に効果の判定を行うとともに、治山造林を主体とする総合的な治山技術の確立を図るための試験造林地を設置すること。また、プロジェクトを通じて開発された治山技術の普及のため、技術者の訓練および日本での研修を実施すること。
<評価要旨>
1. 案件の維持・管理状況
林業研究開発庁の管轄下で活動しているウジュンパンダン流域管理センターが、本件プロジェクトのインドネシア側実施機関となっているが、同センターへの配分予算が潤沢なものではないことから、重機械メンテナンスに割り当てられる経費自体も少ない由。
2. 案件の選定・形成の適正度
スラウェシ島、とりわけ、南スラウェシ島における治山・造林事業については、国連食糧農業機関(FAO)の指導のもとに既に設置されていたジャワ島のソロ流域管理センターの存在を念頭にしつつも、当地における気候、土壌、地形及び地域の農林従事者の森林保全意識等を踏まえたジャワ島とは異なる諸点からの取組みが当初より期待されていたところであり、本件はこれに応えたものであった。
3. 当初目的の達成度及び効果
設立に至るまで紆余曲折のあった「ウジュンパンダン流域管理センター」に期待された機能は、本件プロジェクト実施中は『プロジェクトの進捗における方向付けをする』ことであったが、プロジェクト終了後の現在では、『プロジェクトの成果の持続性を確保・維持又は発展・開発する』ことであろう。その意味では、プロジェクトの成果は地元南スラウェシ州の「林業研修所」やハサヌディン国立大学森林保全管理研究者への情報・知識提供同大学研究者のプロジェクト・サイトでのフィールド・ワーク・サポート、又は同大学との共同研究活動(近日中に実施予定の由)等により、同センターの機能・役割は現段階では期待どおりのものとなっている様子である。