(1) 知的支援の拡充
カンボジアの財政基盤を強化するためには、税制度の整備、徴税システムの改善等にかかる技術移転を促進すべきである。また、経済の発展に向け、法整備、財政・金融制度の整備、料金徴収制度の確立、経営ノウハウ、施設の維持管理等、ソフト面での支援を拡充することが必要である。
(2) 自立化に配慮した案件の実施
カンボジアの現在の財政状況では援助実施にかかる経費を負担することは困難であることから、案件を形成する段階より、援助受け入れ機関自らが事業経費を調達できるよう自立化に配慮することが必要である。
(参考:今回の調査で視察を行ったプノンペン水道公社及び電力公社においては、限られた人材にも関わらず、トップ経営陣は、日本の技術協力を中核に他ドナーの技術援助、ローン等を活用し、施設の運転、管理にかかる専門家を育成している。特に、水道公社は、日本から移転された技術を活用し、同国で極めて希有な黒字経営を実現している。また、医療・保険分野では、「母子保健センター」において日本の品質管理システム、料金徴収制度を導入し、患者から徴収された料金の一部を給与の補填に活用することで職員のインセンティブの向上を図るなど、自己資金調達率を上げる努力で病院経営の改善に大きな成果を上げている。)