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第8章 援助実施体制改善に向けての提言


1. 人材育成の強化

 絶対的人材不足は、カンボジアの発展を妨げる最大かつ緊急の課題であり、また、多くの問題にも深く関わる問題であることから、研修の拡充、専門家の派遣及び教育分野への支援の拡充など、あらゆる方法により人材育成を支援する必要がある。

(1) 研修の拡充

 1998年度までの累計では、1553名が日本で研修を受けた。市場経済の運営、行政管理、法制度、社会福祉政策等幅広い分野において、カンボジア側の実施能力が向上するよう積極的に支援する必要がある。

 また、日本以外の第三国における研修は、比較的カンボジアとの共通点の多い、ASEAN諸国の知識と経験を活用することが効果的であると考えられる。「カンボジア難民再定住農村開発プロジェクト(三角協力)」では、ASEAN諸国の専門家による技術協力が行われており、農村の生活向上に効果が上がっている。

(2) 専門家派遣の拡充

 人材育成及び制度上の改善をすすめるため、日本人専門家の派遣が必要である。特に、政策の立案・形成、制度造りを進めるため、主要省庁に政策アドバイザーを重点的に派遣すべきである。

(3) 教育分野への支援の拡充

 カンボジアの人材層全体の底上げを図るためには、教育分野への支援が重要である。これまで、草の根無償等により実施してきた学校建設支援を継続するほか、技術協力のみならず無償との連携も念頭に置き、教育水準及び教員の質の向上や男女平等に教育機会へのアクセス改善に協力していくことが必要である。


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