(1) 低い行政能力及び連携の不足
公務員の能力不足により、中央省庁及び地方行政機関の行政能力は、政策立案、実施、調整等全ての面で極めて低い。また、政府機関の連携が不足しており、相互の連絡調整が十分に行われない。さらに、中央省庁で行われる政策・予算等にかかる決定に地方行政機関の意向が十分に反映されない。
(2) 援助実施・調整の不足
援助案件の調整窓口であるカンボジア開発評議会(CDC)が制度上の問題等により、その機能を十分に発揮出来ないこと、また、省庁間の連絡・調整が十分に行われないことから援助実施にかかる調整、案件のプライオリティー付けなどが十分に行われない。
(3) 対外的な調整の不足
1) 不十分なドナー間の調整
「モニタリング会合」等の開催により、ドナー間における援助調整や情報の共有等について改善が見られるが、十分な調整は行われていない。
2) ドナーとの協調に向けた取り組み
カンボジアがドナーとの協調に向けて提案した「モニタリング会合」において、懸案とされていた「行政改革」、「財政改革」、「森林保全」、「兵員削減」、「社会セクター」等について検討が開始された。モニタリングを強化するなど、今後とも引き続き一層の努力が必要である。