1. 対カンボジアODAの基本方針
我が国は、カンボジアが和平合意後の荒廃した国土の復興と民主化を達成していくため、新政府の努力を積極的に支援することとし、ODA大綱を踏まえつつ協力を行っている。しかし、1997年7月の武力衝突以降は、カンボジア政府が1)パリ和平協定を尊重し、2)現在の憲法及び政治体制を維持し、3)基本的人権や自由の保障、4)1998年の自由公正な選挙実施、治安状況の改善等を見極めつつ、慎重に対応してきた。重要な点としてはDAC新開発戦略の具体的実施、ハード面及び法制度支援などソフト面の協力、治安への配慮をしつつ、官民の有機的な連携、インドシナの広域的視点からの開発を行うこと等が挙げられる。
1998年11月の新政府の成立により、国際社会のカンボジアに対する本格的な支援が再開された。これを受け、1999年2月「第3回カンボジア支援国会合」が東京で開催され、我が国は同会合をカンボジアの発展と繁栄のプロセスの開始への重要な節目と位置づけ、新生カンボジアの国家再建努力を支援するため積極的な支援を表明した。これを受け、同年9月、約30年ぶりに円借款を再開するなどカンボジアの経済的・社会的発展を支援するための本格的な取り組みを行っている。