カンボジアにおいての環境問題についての最大の課題が森林管理である。各種援助機関がこの分野のアドバイザーの派遣等の知的支援を行ってきた。現在まで森林資源は政府の税収外の資金調達の要となっている。しかし、不法伐採の横行、伐採許可手続きの不透明さ、禁輸措置の一時的解除の繰り返しと恣意的な輸出と税の減免措置などの結果、森林管理に重大な問題が生じている。現在は深刻な森林面積の減少、劣化のための対策として、特別区域を除いて森林伐採が禁止されており、森林資源保護のため、FAO、ADB、UNDP、GTZ等が支援を行っている。
日本は現在長期専門家を農林水産省に派遣し、案件準備中であり、各ドナーと協調しながら、効果的な案件形成が引き続き望まれている。その他の環境関連案件としては、産業公害の制御、環境関連データの整備、環境評価アセスメント、環境教育などの強化に協力のニーズが認められる。
表 4-5 ドナーの環境分野の援助内容
援助機関 | 援助分野 | 現在までの援助内容 |
UNESCO | 環境政策 | アンコール遺跡保全マスタープラン |
ADB | 森林開発 | 森林セクターレビュー |
UNDP | 環境政策 | 環境政策アドバイザーの派遣 環境法整備 湿原・公園管理パイロットプロジェクト |
データ整備 | 森林データ作成 | |
環境教育 | ||
オーストラリア | 環境政策 | 環境政策アドバイザーの派遣 |
GTZ | 森林開発 | 森林セクターレビュー |
EU | 環境政策 | 持続的管理技術プログラム |
ADB , DANIDA | 環境政策 | EIA能力評価 |
デンマーク, DANIDA | 環境政策 | 海岸地区環境管理能力強化 |
カナダ, IDRC | 環境政策 | マングローブ参加型管理 |