第2章 ODA事後評価活動
5.評価対象の選定基準
各機関の評価対象の選定基準は次のとおりである。
(1)外務省の選定基準
外務省が行う事後評価対象の選定基準は、横断的評価とプロジェクト評価により異なり、以下を原則として対象を選定している。
- (イ)横断的評価(前頁参照)の場合には、
- (a)政策ニーズに応える対象(援助の重点国あるいは重点分野であるか、当該国において日本のODA供与額が上位を占めているなど)。
- (b)地域的にバランスを考慮した対象。
- (c)分野的バランスを考慮した対象。
- (d)過去数年対象としていない国、または分野・テーマ。
- (ロ)プロジェクト評価の場合には、上記(イ)の(b)と(c)に加え、
- (a)協力終了後2~4年以上経過しているプロジェクト。
- (b)協力終了以来、一度も評価を実施していない、または前回外務省、JICA、OECFが評価してから数年が経過しているプロジェクト。
- (c)JICA、OECFの事後評価と重複しないプロジェクト。
- (d)無償資金協力、技術協力、有償資金協力の、以下のプロジェクト形態。
- ・無償資金協力(一般プロジェクト無償、水産無償、食糧増産援助、草の根無償)
*ノン・プロジェクト無償は試行的に実施。
- ・技術協力(プロジェクト方式技術協力、ミニ・プロ)
*開発調査は試行的に実施。
- ・有償資金協力(プロジェクト借款、ツー・ステップ・ローン)
*ノン・プロジェクト借款は試行的に実施。
(2)JICAの選定基準
JICAの評価対象選定基準は、JICAが無償資金協力と技術協力のみを対象としている点を除けば、おおよそ外務省の選定基準と同様であり、以下を総合的に勘案して決定している。
- (イ)対象国、テーマの選定基準
- (a)国別事業計画に応える対象。
- (b)地域的バランスを考慮した対象。
- (c)分野的バランスを考慮した対象。
- (d)過去数年対象としていない国、または分野・テーマ。
- (ロ)プロジェクトの選定基準
- (a)協力終了後2~4年以上経過しているプロジェクト。
- (b)協力終了以来、一度も評価を実施していない、または前回外務省、JICA、OECFが評価してから数年が経過しているプロジェクト。
- (c)外務省の事後評価と重複しないプロジェクト。
- (d)無償資金協力および技術協力。
(3)OECFの選定基準
OECFの事後評価対象は、有償資金協力事業の完成案件の中から地域別・国別・セクター別のバランスを考慮して選定される。また、選定された対象事業の中における、対象事業の中での詳細評価、机上/事務所評価、および第三者評価への振り分けは、
- (イ)当該事業の研究対象としてのテーマ性
- (ロ)現地調査でより多くの教訓を引き出せるかどうかなどを勘案して決定している。
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