広報・資料 報告書・資料

第1章 ODA評価を巡る最近の動き
3.評価活動拡充のための今後の課題


(1)援助の社会的・経済的効果に関する評価

 外務省は過去15年以上にわたり評価を行い、対象プロジェクト件数は2,300件を超えているが、この実績は他の主要先進援助国と比較しても遜色ないものである。しかしながら改善の余地が多々あるのも事実である。例えば個々のプロジェクト評価を超えたより広範・中長期的な分析や援助の社会的・経済的効果の定量分析については実施機関とも協力し、今後強化していく必要がある。


(2)評価人材の育成

 評価の拡充に当たっては、評価人材の育成は極めて重要である。この一環として、98年度には大学院生が参加する評価を実施したが、今後ともODAの公正な検証のため、評価人材の育成が重要である。

 また、日本側の評価にかかる人材の育成のみならず、被援助国が自ら評価能力を向上させることも重要である。被援助国における評価人材の育成は、その国に対する援助の質の向上に貢献するものである。例えば、アフリカ開発銀行では、被援助国側の評価能力を育成するためのセミナーを行っているが、日本としてもこの分野での協力を進めていくことが求められている。


(3)広報・情報公開

(写真)経済協力評価セミナーの様子

 今回の報告書は、援助実施機関である国際協力事業団(JICA)および海外経済協力基金(OECF)の協力を得て作成し、評価活動の全体像が把握しやすくなるように努めたが、今後も国民に役立つ報告書とする必要がある。報告書以外にも、特にインターネット上の情報公開は重要であり、現在総論部分の和文および英文は外務省ホームページに掲載されている。今後とも日本の援助実施機関や他の援助国とも協力して情報公開面で、さらなる工夫を検討していきたい。


(4)評価システム全体の再検討

 以上の点も含め、ODA改革懇談会で指摘された点を中心に、評価システム全体の見直し・検討を行うため、1998年11月、評価研究作業委員会を設置した。この作業委員会は、外部の援助関係専門家および外務省、JICA、OECFの評価責任者により構成され、現在の評価システム全体に関する改善策を集中的に討議し、99年度末までに、作業結果を取りまとめることとなっている。



外務省経済協力評価報告書表紙画像
外務省
  JICA事業評価報告書表紙画像
JICA
  OECF円借款案件事後評価報告書表紙画像
OECF


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