2025年版開発協力白書 日本の国際協力

3 新興ドナーや民間主体による「途上国支援」の増加

G7開発大臣会合に出席する宮路外務副大臣(当時)(写真左から2人目)

G7開発大臣会合に出席する宮路外務副大臣(当時)(写真左から2人目)

G20開発大臣会合サイドイベントで発言する松本外務大臣政務官(当時)

G20開発大臣会合サイドイベントで発言する松本外務大臣政務官(当時)

近年、DACメンバーに加え、DACに加盟していない中国、インド、インドネシア、サウジアラビア、ブラジル、トルコ等の新興ドナーや民間の財団などによる開発途上国支援が増加しています。DACに実績報告を行っている非DAC諸国は少ないですが、DACの統計で集計されているだけでも、2024年では、非DAC諸国による支援は計179億ドル以上、同諸国からの民間資金は約10億ドルとなっています。また、DAC諸国および非DAC諸国のNGO等の非営利団体による支援は計約639億ドルに達しています注9。

2025年7月の第4回開発資金国際会議(FfD4)で採択された「セビリア・コミットメント」では、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた資金ギャップを埋めるため、「あらゆる資金源から、追加的、革新的、適切、利用可能、予測可能でアクセスしやすい資金を提供し、動員する」と記載されたように、民間資金動員を始め、様々な主体による資金を開発途上国に向けることが求められています。

開発途上国への資金の流れが多様化する中、その流れを正確に把握し、限りある開発資金を効果的に活用することは国際社会が連携して開発協力を推進するために不可欠ですが、非DAC諸国などが実施する開発途上国支援の内容は、DACが作成・公表する統計では全てが明らかにならないのが現状です。また、国際ルール・スタンダードに合致しない不透明かつ不公正な貸付慣行の存在も指摘されています。

こうした状況下、2025年も様々な国際フォーラムにおいて、開発金融の透明性などについて具体的な議論が行われました。

2025年6月のG7カナナスキス・サミットにおいて、G7首脳は透明で公正な開発金融を通じた債務持続可能性を促進する旨表明するとともに、全ての国際的な資金提供者に対し、同様の取組を求めました。これらの議論も踏まえ、10月のG7開発大臣会合では、債務持続可能性と透明性の促進に関するコミットメントが確認され、宮路外務副大臣(当時)から、全ての開発協力提供者が国際ルール・スタンダードを遵守した透明で公正な開発金融を行うよう、引き続きG7として取り組んでいく必要性を強調しました。

また、7月のG20開発大臣会合においても、松本外務大臣政務官(当時)から、新興ドナー国を含む全ての開発協力提供者が、国際ルール・スタンダードを遵守した透明で公正な開発金融を行うよう、引き続きG20として取り組んでいくことを求め、成果文書にて同内容が確認されました。その後11月に開催されたG20ヨハネスブルグ・サミットで採択された首脳宣言では、G20首脳が、民間債権者を含む全ての利害関係者に債務透明性の向上を求めました。高市総理大臣は、「質の高いインフラ投資に関するG20原則」を始めとする包摂性、透明性、公正性といった国際ルール・基準を遵守し、債務持続可能性に配慮したインフラ開発が不可欠であると発言するとともに、G20「共通枠組」での債務再編の実施改善、そして債務透明性の向上の必要性を強調しました。

日本は、新興ドナーの開発途上国支援が国際ルール・スタンダードと整合的な形で透明性・公正性をもって行われるよう、引き続き、国際社会と連携しながら働きかけていきます(第Ⅲ部1(4)および第Ⅴ部1(2)も参照)。

図表Ⅱ-10 ODA対象国・地域に関するDACリスト

  1. 注9 : OECDデータベース(OECD Data Explorer)(2025年12月)。
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