2024年版開発協力白書 日本の国際協力

3 複雑化・深刻化する地球規模課題への国際的取組の主導

(1)気候変動・環境

気候変動を始めとする地球環境問題は、持続可能な開発目標(SDGs)でも言及されており、近年の異常気象や大規模自然災害の発生も受け、国際社会が連携して取り組むべき一刻を争う重要な課題です。2023年に日本が議長国を務めたG7広島サミットに続き、2024年のG7プーリア・サミットの首脳宣言においても、我々の地球が直面する3つの世界的危機である、気候変動、汚染および生物多様性の損失に対処することが改めて表明されました。これまでも日本は、こうした問題の解決に向けて精力的に取り組んできており、生物多様性条約や国連気候変動枠組条約などの主要な国際環境条約の資金メカニズムである地球環境ファシリティ(GEF)解説ではトップドナー国の一つとして開発途上国支援も行っています。

●日本の取組

■気候変動問題

気候変動問題は、世界のあらゆる国々の持続可能な開発にとっての脅威であるとともに、人類の存在そのものに関わる安全保障上の問題でもあります。その対応には全ての国が共に取り組む必要があり、先進国のみならず、開発途上国も含めた国際社会の一致した取組の強化が求められています。先進国と開発途上国の全てが排出削減に取り組む枠組みとして、国連気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)(2015年)においてパリ協定が採択され、2016年に発効しました。

日本は2020年10月、2050年までにカーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。また、2021年4月には、2030年度に温室効果ガス排出量を2013年度比46%削減すること、また50%の高みに向けて努力を続けることを宣言しました。2021年10月には、これらの目標を反映した「国が決定する貢献(NDC)」注57および「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」を国連に提出しました。

2021年6月のG7コーンウォール・サミットでは、2021年から2025年までの5年間における官民合わせて6.5兆円相当の支援を表明しました。また、同年のCOP26では、適応分野の支援を倍増し、5年間で1.6兆円相当の適応支援を実施していくことを含め、新たに5年間で官民合わせて最大100億ドルの追加支援を行う用意があることを表明しました。

(COP29)

国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)の閣僚級セッションでスピーチする浅尾環境大臣(写真:環境省)

国連気候変動枠組条約第29回締約国会議(COP29)の閣僚級セッションでスピーチする浅尾環境大臣(写真:環境省)

2024年11月11日から24日には、COP29がアゼルバイジャンのバクーで開催されました。会期中の閣僚級セッションには浅尾環境大臣が出席し、1.5℃目標注58の実現に向けて、NDCの着実な実施が重要であることなどを訴えました。本会議では気候資金に関する新規合同数値目標(NCQG)として、「2035年までに少なくとも年間3,000億ドル」の開発途上国支援目標が決定されたほか、全てのアクターに対し、全ての公的および民間の資金源からの開発途上国向けの気候行動に対する資金を、2035年までに年間1.3兆ドル以上に拡大するため、共に行動することを求めることが決定されました。加えて、緩和作業計画(MWP)、適応に関する世界全体の目標(GGA)に関する決定が採択されたほか、温室効果ガスの排出削減・吸収量の国際的な取引を行うパリ協定第6条の詳細運用ルールなども決定され、完全運用化されました。

(「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」)

岸田総理大臣(当時)は2022年の施政方針演説において、アジアの脱炭素化を目指すためのプラットフォームとして、「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」構想を発表しました。2023年3月には、東南アジア9か国およびオーストラリアの参加を得る形で、第1回AZEC閣僚会合が開催され、AZECが立ち上がりました。その後、2023年12月には初めてとなるAZEC首脳会合、2024年8月には第2回AZEC閣僚会合が開催されました。AZECでは、脱炭素化・経済成長・エネルギー安全保障の同時実現および多様な道筋によるネット・ゼロの実現を原則としています。2024年10月に開催した第2回AZEC首脳会合では、この原則を確認するとともに、(i)アジアの脱炭素化に資する活動を促進するルール形成を含む「AZECソリューション」の推進、(ii)温室効果ガス排出量の多い電力、運輸、産業セクターの脱炭素化を促進するためのイニシアティブ始動、(iii)具体的なプロジェクトの推進、の3つを柱とする「今後10年のためのアクションプラン」に合意しました。

(緑の気候基金(GCF))

日本は、世界最大の多国間気候基金である緑の気候基金(GCF)解説を通じた開発途上国支援を行っています。日本は、同基金にこれまでに合計約3,190億円を拠出してきました。さらに、2024年から2027年の第2次増資期間では、日本は第1次増資と同規模の最大1,650億円を拠出する意向を表明しています。GCFでは、2024年10月までに285件の支援事業が承認・実施されており、全体で30億トンの温室効果ガス削減と、適応策支援による10億人への裨(ひ)益が見込まれています。また、日本からは、JICA、株式会社三菱UFJ銀行および株式会社三井住友銀行が、GCFの事業案件を形成する「認証機関」として承認されており、これまでに三菱UFJ銀行による3つの事業(「サブサハラ・中南米7か国における持続可能な民間森林事業」(2020年3月)、「アジア・中南米・アフリカ8か国におけるグリーン債発行支援事業」(2022年10月)および「アジア・アフリカ・中南米19か国におけるブレンデッド・ファイナンスによる緩和・適応支援事業」(2023年10月))と、JICAによる2つの事業(「東ティモールにおける森林地帯コミュニティ支援事業」(2021年3月)および「モルディブにおける気候強靭(じん)性強化事業」(2021年7月))が採択されました。

(二国間支援)

パプアニューギニアの持続的な森林経営を目指す技術協力プロジェクトにおいて、苗木栽培について話し合う森林公社職員とJICA専門家(写真:JICA)

パプアニューギニアの持続的な森林経営を目指す技術協力プロジェクトにおいて、苗木栽培について話し合う森林公社職員とJICA専門家(写真:JICA)

二国間支援の具体例として、日本はサモアにおいて、無償資金協力を通じて建設を支援した太平洋気候変動センターに対し、気候変動対策の専門家を派遣しています。日本は同センターを通じて気候変動に脆(ぜい)弱な太平洋島嶼(しょ)国の人材育成に努めています。本支援を行うことにより、気候変動解決策の実施能力が向上し、大洋州14か国の1,000万人を超える人々に広く裨益することが期待されます。また、国連開発計画(UNDP)と連携して、サモア、パプアニューギニア、バヌアツおよび東ティモールにおける再生可能エネルギーへの転換を支援しています。

アフリカ地域では、2022年8月に開催されたTICAD 8において、(i)オーナーシップと共創、(ii)機動的な資金動員、(iii)多様なパートナーとの連携によるアプローチにより、日本の貢献を最大化することを目的として、気候変動への対応を行い脱炭素へのエネルギーの構造転換を目指す「アフリカ・グリーン成長イニシアティブ」が立ち上げられ、このイニシアティブの下、アフリカの持続的な成長に資する様々な取組が官民により進められています(グリーン成長に関する取組については第Ⅳ部8を参照)。

また、開発途上国における気候変動対策支援の一つとして、優れた脱炭素技術などを、開発途上国を始めとする世界のパートナー国に展開していく「二国間クレジット制度(JCM)」解説を推進しています。これにより、パートナー国の温室効果ガスの排出削減に貢献することで、その成果の一部をクレジットとして取得し、日本の削減目標達成にも活用できます。日本は2013年にモンゴルとの間で初めてJCM実施に係る協力覚書に署名したことを皮切りに、2024年2月にはウクライナとの間で協力覚書に署名し、2024年末までに29か国との間でJCMを構築しました。2013年のJCM開始からこれまで、インドネシア、カンボジア、ケニア、サウジアラビア、タイ、パラオ、バングラデシュ、ベトナム、モルディブ、モンゴル、ラオスにおいて、省エネルギーや再生可能エネルギーなどに関する46件の事業からJCMクレジットが発行されており、JCMは世界全体での温室効果ガスの排出削減に寄与しています。

日本は引き続き、パリ協定の目指す脱炭素社会の実現に向けて、国際社会を主導していきます。

■生物多様性の損失

近年、人類の活動の範囲、規模、種類の拡大により、生物の生息環境の悪化、生態系の破壊などの生物多様性の損失に対する懸念が深刻になってきています。日本は、2010年に生物多様性条約解説第10回締約国会議(COP10)を愛知県名古屋市で開催するなど、生物多様性分野の取組を重視しています。また、開発途上国の能力開発を支援するため、COP10で立ち上げた生物多様性日本基金注59や、2022年12月に生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)で採択された世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組(GBF)」を実施するためのGBF基金にも拠出しています。

2024年10月には、生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)がコロンビア・カリにおいて開催され、遺伝資源のデジタル配列情報(DSI)注60の使用によりもたらされる利益の多国間での配分の仕組みの大枠や、先住民および地域社会の参画に関する補助機関の設置等が決定されました。日本としては、GBFに示された「自然を回復軌道に乗せるために生物多様性の損失を止め反転させるための緊急の行動をとる」という2030年ミッション、「自然と共生する世界」という2050年ビジョンに向けて、「生物多様性国家戦略2023-2030」を基に引き続き貢献していきます。

また、近年、野生動植物の違法取引が深刻化し、国際テロ組織の資金源の一つになっていることが、国際社会で問題視されています。日本は、ワシントン条約関連会合での議論に積極的に貢献するとともに、同条約が実施するプロジェクトへの拠出などを通じて、国際社会と協力してこの問題の解決に取り組んでいます。具体的な取組として、日本はアフリカを中心にゾウの密猟対策を実施するための施設の建設などを支援しています。

■海洋環境の保全
タイでの技術協力「東南アジア海域における海洋プラスチック汚染研究の拠点形成」におけるドローンを活用したプラスチック廃棄物実測(写真:JICA)

タイでの技術協力「東南アジア海域における海洋プラスチック汚染研究の拠点形成」におけるドローンを活用したプラスチック廃棄物実測(写真:JICA)

海洋プラスチックごみ問題は、海洋の生態系、観光、漁業および人の健康への悪影響が懸念されている喫緊の課題として、近年、その対応の重要性が高まっています。2019年のG20大阪サミットで日本が主導した「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」では、2050年までに海洋プラスチックごみによる追加的な汚染をゼロにすることを目指すことが、2024年12月時点で87の国と地域に共有されています。同ビジョンの実現に向け、日本は、(i)廃棄物管理(Management of Wastes)、(ii)海洋ごみの回収(Recovery)、(iii)イノベーション(Innovation)、(iv)能力強化(Empowerment)に焦点を当てた、「マリーン(MARINE)・イニシアティブ」を立ち上げました。日本は、同イニシアティブの下で、世界全体の実効的な海洋プラスチックごみ対策を後押しするため、開発途上国における廃棄物管理に関する能力強化およびインフラ整備などを支援しています。

2024年9月の持続可能な海洋経済の構築に向けたハイレベル・パネル第6回会合では、日本が、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」の提唱国としてプラスチック汚染を終わらせるための具体的な行動をとってきていることや、2025年6月に開催される第3回国連海洋会議(UNOC3)では、海洋環境に関する様々な国際約束の交渉や実施の機運を高めることも期待される成果の一つであること、現在交渉中のプラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書についても、多くの国が参加する効果的かつ進歩的な条約を実現するために、引き続き積極的に交渉に関与していくことを発信しました。また、ブルーカーボン注61は、2025年以降に本パネルが貢献できる分野の一例であることを指摘しつつ、日本はブルーカーボン生態系注62による吸収量を算定し、温室効果ガスインベントリ注63に反映させ提出していることや、2024年4月には世界で初めて、海藻藻場(もば)による吸収量を含めた報告を行ったことを発信しました。

日本は、海洋環境保全の分野において、海洋プラスチックごみ対策への支援を行っており、2024年には課題別研修「海洋ごみ対策のための廃棄物管理」を実施しました。

2018年の日ASEAN首脳会議において表明した、海洋プラスチックごみ対策に関するASEANに対する支援を拡大する一環として、2019年以降、ASEAN諸国における海洋プラスチックごみ削減を中心とする環境保全のための人材育成、啓発および広報活動なども実施しています。2024年には、日・ASEAN統合基金(JAIF)注64を通じて、マイクロプラスチック・水質汚濁対策に関するASEAN諸国の地方自治体の能力開発強化やASEAN地域のプラスチック資源循環促進支援を行いました。また、漁業からの海洋ごみ排出を監視・削減するための能力構築などの支援を行っています。さらに、G20大阪サミットでのコミットメントに基づき、各国の専門家と協力の下、データの比較可能性を担保するための漂流マイクロプラスチックのモニタリング手法の調和やデータ集約に取り組んでおり、2024年には、世界中のモニタリングデータを収集するとともに、それを地図上に可視化した図面と併せて提供するデータベース「Atlas of Ocean Microplastic(通称:AOMI)」を公表しました。

日本は、国連環境計画(UNEP)を通じて、東南アジア、南アジアおよび太平洋島嶼(しょ)国を中心として、海洋プラスチックごみ対策を支援しています。UNEPは2018年から、プラスチックによる海洋汚染の深刻化に対して、プラスチックの海洋流出を監視するための手法を開発しました。加えて、科学的根拠に基づいた政策立案を可能にするため、プラスチックごみのサンプリング調査および流出経路に関する科学的分析を実施しています。その結果に基づいた政策提言やガイドラインの作成を行い、また、日本のIT企業と連携して流出経路地図を作成し、3,000か所以上の流出ポイント(ホットスポット)を特定し、広く一般にも使用可能となるよう同地図を専用サイト注65で公開しています。

■森林・水産資源の保護
ラオスのビエンチャン県のプー・カォ・クアイ国立公園において、ドイツの専門家と合同で森林バイオマス調査の演習を行う様子(写真:JICA)

ラオスのビエンチャン県のプー・カォ・クアイ国立公園において、ドイツの専門家と合同で森林バイオマス調査の演習を行う様子(写真:JICA)

森林資源のうち、熱帯林は世界の森林の約半分を占め、気候変動対策や生物多様性保全に関して重要な役割を担っています。日本は、国際熱帯木材機関(ITTO)の本部を横浜に誘致し、これまで40年近くにわたって、同機関を通じて熱帯林の持続可能な経営および合法で持続可能な熱帯木材貿易を支援してきました。日本政府からITTOへの任意拠出により、2024年にはブラジルにおいて、森林伐採に関わる企業を対象に、持続可能な森林経営のためのツール(熱帯林モニタリングソフトなど)を活用したワークショップが行われるなど、熱帯木材生産国に対する支援が実施されています。

また水産資源の保全について、日本は、ASEAN地域において、東南アジア漁業開発センター(SEAFDEC)との協力の下、違法・無報告・無規制(IUU)漁業対策に関する研修やワークショップを実施しています。こういった協力を通じIUU漁業による規制閾(いき)値を超えた漁獲が魚類の生態系に与える影響を抑えることで、ASEAN諸国にとって基幹産業の一つである漁業の持続可能性および漁業コミュニティの持続可能な発展を後押しすることにつながります。

■環境汚染対策
ブラジルのサンタ・カタリーナ州フロリアノポリス市北部に円借款により建設した下水処理場(写真:サンタ・カタリーナ州上下水道公社)

ブラジルのサンタ・カタリーナ州フロリアノポリス市北部に円借款により建設した下水処理場(写真:サンタ・カタリーナ州上下水道公社)

開発途上国では、有害な化学物質の規制措置が整備されていないことが多く、環境汚染や健康被害などを引き起こしている例もあります。日本は環境汚染対策に関する多くの知識・経験や技術を蓄積しており、それらを開発途上国の公害問題を解決するために活用しています。また、化学産業における環境管理技術、環境負荷化学物質の分析技術およびリスク評価、化学物質の微量分析技術などにおいて、開発途上国への専門家派遣および開発途上国からの研修員受入れなどの技術協力を行っています。

水銀に関する水俣(みなまた)条約外交会議(2013年)で採択された「水銀に関する水俣条約」は、2017年8月に発効しました。日本は、水俣病の経験を経て蓄積した、水銀による環境汚染や健康被害を防ぐための技術やノウハウを世界に積極的に伝え、グローバルな水銀対策においてリーダーシップを発揮しています。ネパールやマレーシアなどに対して条約の批准を支援するための研修等を実施したほか、日本の優れた水銀対策技術の国際展開を推進すべく、インドネシアやベトナムなどで調査を実施しました。また、2019年以降、国連環境計画アジア太平洋地域事務所(UNEP-ROAP)を実施機関とし、日本が出資する事業「日本の知見・経験をいかした水銀に関する水俣条約推進プロジェクト」を実施し、加盟国が条約に沿った水銀管理を実施するために、国内の水銀関連情報の量と質を向上させ、プラットフォームを整備することを支援しています。

廃棄物管理分野において、日本は「マリーン・イニシアティブ」に基づき、世界において、廃棄物管理人材を2025年までに1万人育成することとしており、既に2023年度までに研修などを通じて約3万人を育成しています。

また、アフリカにおける廃棄物管理支援のモデルプロジェクトとして、ケニアにおいて、資源回収の効率化等を通じた資源循環を推進しています。本事業で得られた成果や経験は、「アフリカのきれいな街プラットフォーム(ACCP)」解説を通じ、メンバー国・都市に発信しています。2022年8月に行われたTICAD 8においても、ACCPの下で、廃棄物分野の脱炭素やリサイクルを推進すること、アフリカにおいて3,000万人に裨益する廃棄物管理を含む公衆衛生改善を推進すること、1,000人の人材育成を実施することを表明し、TICAD 8以降に参加した5か国80都市を含め、47か国188都市に拡大したACCPを通じて、それらの分野における取組を推進してきました。

用語解説

地球環境ファシリティ(GEF:Global Environment Facility)
開発途上国の地球環境保全に資するプロジェクトに対し、主に無償で資金を供与する多国間の資金メカニズム。1991年に設立され、日本を含む186か国が参加(2024年12月時点)。世界銀行が参加国からの拠出金を管理。国際開発金融機関(世界銀行、アジア開発銀行(ADB)ほか)、国連機関(国連開発計画(UNDP)、国連環境計画(UNEP)ほか)など18の実施機関を通じ、生物多様性保全、気候変動対策、国際水域汚染防止、土地劣化対策、および化学物質・廃棄物対策の5分野を支援。国連気候変動枠組条約、生物多様性条約、国連砂漠化対処条約、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約、水銀に関する水俣条約、国家管轄権外区域における海洋生物多様性(BBNJ)協定の資金メカニズムに指定されている。
緑の気候基金(GCF:Green Climate Fund)
2010年のCOP16で採択されたカンクン合意において設立が決定された、開発途上国の温室効果ガス削減(緩和)と気候変動による影響への対処(適応)を支援する多国間気候基金。
二国間クレジット制度(JCM:Joint Crediting Mechanism)
開発途上国などへの優れた脱炭素技術、製品、システム、サービス、インフラなどの普及や対策実施を通じ、実現した温室効果ガス排出削減・吸収への日本の貢献を定量的に評価してクレジット化し、日本のNDCの達成に活用する制度。
生物多様性条約(CBD:Convention on Biological Diversity)
生物多様性に関する地球規模の取組を進めるため、1992年に採択された条約。(1)生物多様性の保全、(2)生物多様性の構成要素の持続可能な利用(生態系・種・遺伝子の各レベルでの多様性を維持しつつ、生物等の資源を将来にわたって利用すること)、(3)遺伝資源の利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分を目的とする。先進国から開発途上国への経済的および技術的な支援を実施することにより、世界全体で生物多様性の保全とその持続可能な利用に取り組んでいる。
アフリカのきれいな街プラットフォーム(ACCP:African Clean Cities Platform)
2017年に環境省がアフリカの廃棄物に関する知見の共有とSDGsの達成を促進することなどを目的として、JICA、横浜市、UNEPおよび国連人間居住計画(UN-Habitat)と共に設立。アフリカの47か国188都市が加盟しており、全体会合の開催や、各種ガイドライン・教材などの作成、スタディツアーの企画などを実施している。

  1. 注57 : 締約国は、温室効果ガス排出削減目標やそれを達成するための対策をNDC(National Determined Contribution)として定め、国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局に提出することになっている。
  2. 注58 : 地球の平均気温の上昇を産業革命以前と比べて1.5度未満に抑える目標。
  3. 注59 : 開発途上国の能力養成を行うことを目的として、COP10議長国であった日本が生物多様性条約事務局に設置した基金。
  4. 注60 : Digital Sequence Informationの略称。現時点で国際的に一致した明確な定義はないが、植物や動物、微生物その他のDNA等のデータを指す。近年、こうしたデータが様々な分野で研究・開発に使われるようになったことから、そこから生じる利益について、公正かつ衡平な配分の仕組みが議論されてきている。
  5. 注61 : 沿岸・海洋生態系に取り込まれ、土壌への蓄積や海底へ沈降する炭素のこと。
  6. 注62 : 藻場(海草・海藻)や塩性湿地・干潟、マングローブ林などからなるブルーカーボンの主要な吸収源。
  7. 注63 : 1年間に国内で排出・吸収される温室効果ガスの量を取りまとめたデータのこと。気候変動枠組条約に基づいて、毎年作成し、条約事務局へ提出することが義務付けられている。
  8. 注64 : 注5を参照。
  9. 注65 : 「Mobile Application for Macro Plastic Survey」 https://arcg.is/1DOOWW
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