2017年版開発協力白書 日本の国際協力

第 I 部 国際社会の平和・安定・繁栄のための国際協力

2017年11月、フィリピン・マニラで開催された東アジア首脳会議(EAS)における、安倍晋三総理大臣をはじめとする各国首脳。(写真提供:内閣広報室)

2017年11月、フィリピン・マニラで開催された東アジア首脳会議(EAS)における、安倍晋三総理大臣をはじめとする各国首脳。(写真提供:内閣広報室)

第1章 「2つの大陸」と「2つの大洋」の交わりにより生まれるダイナミズム

2017年9月、インドを訪問中の安倍晋三総理大臣がモディ首相と共にムンバイ・アーメダバード間高速鉄道事業の起工式典に出席。(写真提供:内閣広報室)

2017年9月、インドを訪問中の安倍晋三総理大臣がモディ首相と共にムンバイ・アーメダバード間高速鉄道事業の起工式典に出席。(写真提供:内閣広報室)

安倍総理大臣が2016年にケニアで開催された第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)で発表した「自由で開かれたインド太平洋戦略」の下、日本は、ODAも戦略的に活用し、国際社会の平和、安定および繁栄に積極的に貢献しています。

第1節 自由で開かれたインド太平洋戦略

法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序は、国際社会の安定と繁栄の礎です。特に、アジア太平洋からインド洋を経て中東・アフリカに至るインド太平洋地域は、世界人口の半数以上が集まる世界の活力の中核であり、世界経済の成長を牽引(けんいん)するエンジンとなり得る大きなポテンシャルを秘めています。

日本は、成長著しいアジアと潜在力あふれるアフリカという「2つの大陸」と太平洋とインド洋という「2つの大洋」の交わりによるダイナミズムこそが、国際社会の安定と繁栄の鍵を握るとの考えから、インド太平洋地域における法の支配に基づく自由で開かれた海洋秩序を維持・強化し、この地域をいずれの国にも分け隔てなく安定と繁栄をもたらす「国際公共財」とするために「自由で開かれたインド太平洋戦略」を推進しています。

具体的には、①法の支配等、航行の自由、自由貿易等の普及・定着、②国際スタンダードにのっとった「質の高いインフラ」整備を通じた連結性強化等による経済的繁栄の追求、③海上法執行能力の向上支援、海賊対策、防災等の平和と安定の確保のための取組を3本柱としてその戦略の具体化を進めています。

「自由で開かれたインド太平洋戦略」(Free and Open Indo-Pacific Strategy)
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