1、開会あいさつ(城所民間援助支援室長)
城所:
2004年度のNGO・外務省の定期協議会では、全体会を開催し、ODA政策協議会を3回、連携推進委員会を3回と協議を重ねている。また今年度は定率支援についても、5回の非公式の勉強会を行なってきた。今日は今年度最後の協議会でもあり、率直な意見交換をしたいと思っている。
2.五月女NGO担当大使あいさつ
五月女:
今日は、日本各地からきていただきました。私は、協議会以外にも、地方・海外でNGOの皆さんとお話する機会をもっているが、今年度は、連携推進委員会を名古屋で、ODA政策協議会を大阪で開催してきており、それぞれ成果があがっていると考えている。また、この協議会の議事録は、インターネットを通じて、有識者をはじめさまざまな方が注目しているそうである。その意味で、率直かつ建設的な意見交換が非常に重要になってきている。先日の大阪ではODA政策について議論をしたが、今日は、現地でプロジェクトをもっているNGOの皆さんと実りある議論をしたい。今年は、戦後の新日本の誕生、そして国際連合誕生から60周年であり、この60年を振り返りつつ、改革・改善を目指す年だと考えている。
昨年は、コロンボプラン50周年だったが、当時、日本は被援助国でありながら援助を開始するという二つの顔をもっていた。先日のODA政策協議会では、中国へのODAの継続問題がとりあげられたが、日本もまた援助をはじめた当初は被援助国だった。やはり、自分の国の特徴を生かしていくことが大事だと思う。
しばしば訊かれることだが、何故、日本は国内で困っている人々がいるのに、海外の人々を助けるのかという質問がある。しかし実際のところ、昨年の中越地震の救援では多くの国際協力NGOが活躍した。昨年末のスマトラ沖地震でも、日本の援助が高い評価を受けており、海外で助けをもとめている人々を助けることが、日本の人々を助けるときにも役にたっている。この意味でも日本の国際協力NGOが力をつけていくことは非常に意義がある。人材を育て、組織を強化することが重要である。私自身は、今年の目標として、やはりNGO間の連携と、大きな組織としてのネットワークNGOの強化が、これから大事であろうと思っている。今日の議論は率直かつ建設的に行ない、この会議の重要性を日本中の有識者にも知ってもらいたいと思う。
高橋:
外務省の立場からの、そのようなコメントに感謝する。われわれも自分たちの特色を活かして行きたいと思う。それでは、外務省からの報告をお願いします。
3.報告事項
インドネシア・アチェでの活動における注意事項
城所:
アチェでのテロについて、各国外務省より警告が発せられている。脅威の具体的な内容は明らかではないが、現地での支援活動に際しては、現地の外務省事務所と密に連絡をとり、くれぐれも注意して下さい。
4.協議事項
(1)災害緊急支援におけるNGOと外務省の連携
熊野:
それでは協議事項に入ります。一つ目の災害緊急支援におけるNGOと外務省の連携について、NGO側からどうぞ。
戸代澤:
今回のスマトラに関して、約3.6億円がジャパン・プラットフォーム(以下、JPF)に供与されていると聞く。JPFの支援の迅速性には評価するべきものがあり、そうした迅速性をJPFに加入していないNGOのプロジェクト支援にも拡大して欲しいと考えている。特に、今回のスマトラ沖地震のような大災害の場合には、日本NGO支援無償資金協力におけるNGO緊急人道支援にその迅速性を適用していってもらいたい。
安田:
民援室では、今回のスマトラに関しての緊急性は認識しており、関連プロジェクトについては、優先的・迅速に審査を行なっている。
城所:
24時間体制で受付けているので、そういう疑問や相談があれば、夜遅くても、まず電話をして欲しい。またメモでもいいので早い段階で実施予定の案件の概要を示していただきたい。ただし、いい加減な積算はださないで欲しいということは強く求めたい。JPFに関しても積算の審査は同じような厳しさで行なっている。その意味では、JPFと緊急人道支援での区別はせず、まったく同じ手続きを踏んでいるといえる。
山口:
NGOは、JPFによる緊急支援に対する審査のスムーズさと同じように、日本NGO支援無償の開発協力支援に対する審査が迅速に行われることを期待している。
城所:
われわれは、毎週案件についての会議を開催している。また在外公館でも受付けている。こちらがお願いしたいのは、実際にあったことだが、申請書に関連した問題に対する回答が1年半後まで放置されたり、2年前の申請書を再度出してくるようなことはやめて欲しいということだ。またODAを使うのだから、寸法のない絵だけの申請書などではなく、壁の高さや実際の面積など、しっかりとした見積をいれて欲しい。そうしたしっかりとした申請書についてはできるかぎり迅速に審査するように努力している。ただし、現地の治安状況のための遅れることがあるということは、理解しておいて欲しい。
安田:
実際に申請書を審査する立場から言えば、かなりひどい申請書がある。補正が終了してからは2~3ヶ月以内を目途に審査を終わらせるようにしているが、申請後、補正が済むまでにかなり時間を要する場合がある。NGOに理解しておいて欲しいのは、申請後から必要な時間と、補正終了から審査に必要な時間とは違うということだ。この二つについては区別しておいて欲しい。
高橋:
NGOといっても多くの団体があり、城所室長の指摘するような事実があることは理解できる。以前からもそのような話は聞いているが、繰り返しにならないように、具体的なケースを共有できるだろうか。
城所:
私も抽象論は嫌いなので、具体的にそういったケースを共有する話し合いをもつことは構わない。こちらから言えるのは、案件を申請する前に当室に相談をして欲しいということだ。来年度のNGO支援無償セミナーでは、細かな申請の仕方についても説明していきたいので、スキームを利用する団体は全て参加して欲しいと思っている。NGO側も努力して欲しい。
高橋:
申請書の書き方を知らない団体は、マジョリティなのか。
城所:
実際には、マジョリティだと言える。とにかく実施要領をよく読んで欲しい。キーとなる部分だけあればいいのだから、よく理解してもらいたい。口頭でもいいので、あらかじめ相談に来てくれれば、お互いに無駄な部分を書く手間を省くことができると思う。困るのは、手間をかけて100ページも書き上げていながら、重要な部分が欠落しているような申請書があることだ。
五月女:
お互いに無駄な手間を省くため、2ページくらいの要約を作るつもりで書いて欲しい。私が考えるのは、ネットワークNGOが各所属団体にアドヴァイスをするような仕組み・窓口や、外務省が勉強会・研究会などを開くこともできるのではないかということだ。悪い例・いい例を挙げて、それとそれぞれの申請書を比較するのも有効だと思う。
山口:
JICAの草の根技術協力の場合は、A4用紙で2枚程度の関心表明を出してから、次のステップに進む仕組みがある。それをシステムにしてはどうか。
五月女:
数十時間かけて思い込みで作ってから、この国ではダメ、このプロジェクト内容はダメだというのでは、書くほうも読むほうも無駄が大きい。山口さんが指摘したような手続きは有効かもしれない。
戸代澤:
おそらく3段階になるかと思う。最初は紙1枚で「どこでなにをやりたいか」、その次に「大枠の概算予算とプロジェクトの骨子」、最後に本格的な「申請書」をだすというやり方はどうか。
安田:
現在も実情としてはそのような流れになっていると思う。問題なのは、申請される案件の趣旨としてはNGO支援無償資金協力に合っているが、申請書の書き方に問題があり、具体的な内容がわからないものがあることだ。また当室では、これまでなるべくすくいあげる方向で取り組んでいるし、今後も、申請書の内容が悪いからすぐ却下、というわけにはいかないだろうと思う。
山口:
申請のシステム・手続きについては、この場では具体的に話しにくいので、今後は非公式勉強会で実務的に詰めていくことを提案したい。
城所:
例えばNGO事業補助金等により、申請書の書き方のセミナー、経理セミナーをやってみてはどうか。こちらから言うことではないが、ネットワークNGOがやってはどうかということは、以前から思っている。悪い例については特定NGOを晒すことになるので、難しい。
高松:
協議内容が事業申請手続きに留まっているので、トーンを変えて本協議の議題である「災害緊急支援におけるNGOと外務省の連携」という総論へ戻り、外務省とJPFとの連携の実績を踏まえつつ、いくつか具体的な提案を述べたい。まず総論として、今般のスマトラ島沖地震による被災者支援にあたっては、地震が発生した12月26日(日曜日)の午後から民間援助支援室との情報交換を開始し、その日の夜から昼夜を問わず年末年始を通して24時間オープンで対応していただいたおかげで、迅速な事業を展開することができた。この場を借りて、感謝したい。次に具体的な提案を述べたい。(1)迅速な事業審査を行うため、民間援助室との調整の上で外務省サイドの承認手続きに必要な判断ポイントを整理して、それを事業申請フォーマットとして定型化する作業を進めているところであるが、それが今般の事例でも労力の省力化に役立ったところ、今後ともこの作業を継続して更なる効率化を進めていきたいのでご協力をお願いしたい。(2)災害発生直後から、民間援助室を通じて貴重な現地情報を得ることができた。とくに、外交ルートを通じた治安情報は事業に携わる要員の安全確保において大変に貴重なものなので、引き続きご提供をお願いしたい。(3)外務省に加えJICA緊急援助隊事務局や日本赤十字等関連機関・団体とも適宜情報交換を行なっているところであるが、災害緊急支援に関する情報交換をシステムとしてネットワーク化することに取り組んでいきたいと考えているので、この実現につきご協力をお願いしたい。(4)初動対応ミッションを派遣した際、民間援助支援室を通じて、在外公館において現地の被災状況や政府関連機関の対応状況、国際援助機関・団体の動向や入国審査、関税等に関する状況をブリーフィングいただく機会をセットしていただいた。災害緊急援助を行う際には、現地の流動的な対応状況の動きを把握することが何よりも重要なので、今後とも在外公館におけるブリーフィングを継続していただけるようお願いしたい。(4)緊急支援事業が本格化したタイミングで、外務大臣への説明会や、国際機関や関連団体を招いての支援状況説明会を実施していただいた。国際援助コミュニティーの支援動向を把握する上で極めて有意義な会合なので、かような会合を引き続き主催していただけるようお願いしたい。
横川:
NGOの力不足についての指摘をもらったが、そのような部分も含めて、外務省とNGOの連携のやり方を建設的に考えたいと思っている。
城所:
事前のジャブの応酬のなかで、案件を作り上げていくことが必要なので、総論ではなく個別の勉強会などがあれば、我々も喜んで協力していきたい。
高橋:
やはり、悪い例をだしてもらうというのは、難しいのだろうか。
城所:
困るのは、申請書や事後の完了報告書等の中に提出資料や証拠書類等の面で不備なものが見られることだ。ただそのような特定団体の名前を出すことは、団体との関係で難しいのではないかと思っている。
横川:
JPFにすでに3億円の供与がされたということだが、スマトラ沖津波支援に関しては24時間体制でJPFに所属しない団体にも同じような供与を考えているとのことであるが、実際どのくらいの供与がされ、予算はどの位あるのか。
安田:
現時点で、日本NGO支援無償資金協力において6,000万円の支援実績がある。
(2)日本NGO支援無償資金協力の改善について
熊野:
時間の配分もあり、これまでの日本NGO支援無償資金協力との関連もあるので、次の議題に移りたいと思います。
山口:
これまで協議を続けてきた11提案について、外務省側からもそろそろ区切りをつけたいという発言を以前に頂いている。そこで、区切りをつけるために、これまでの提案の反映状況についてNGO側で評価を行なった。ソフト案件については運用で対応して頂いていると思うが、他方、複数年事業については、いっそうの検討を求めたいと考えている。直接費目の対象や間接費の定率支援については、NGO側の要望はすでに勉強会などで提出済なので、外務省からの回答を待っている状態である。
2005年度は、11提案のなかから課題として残っているものとして、複数年事業において空白期間をなくすこと、タイムシート制度や現地職員の人数制限の廃止を含めた直接費目の見直し、領収書抜きの間接費定率支援、人件費の標準単価制度に絞って、議論をしていきたい。
安田:
すでに5回にわたって非公式勉強会をやってきたが、残念ながら今日の時点では結論は申し上げられない。どういう費目を直接費目にするのか、間接費を定率支援にするのか、現在前向きに協議中である。来年度の要項の改訂を準備中なので、可能な限りは組み込んでいきたいとは考えている。今のところ、他の部署とも協議をしているので、また決定をする前に、何らかのかたちでNGO側にも説明をする機会をもちたいと思っている。
城所:
複数年事業については、現に運用面で対応しているので、2期目以降についても早めに申請をしていって欲しい。実際には2期目などを実施していない団体があるので、やはりちゃんとした中間レポートが提出され、会計処理も着実なものでなければ、2期目を進められないという状況がある。
戸代澤:
NGO側が意図しているのは、3年間程度の全体のプランを承認して欲しいということだ。現にJICAの草の根技術協力などで行なわれているように、3年や5年のプログラムの全体像を認めて欲しいと考えていることを理解していただきたい。
山口:
たしかに民間援助支援室も運用面で対応していることは了解している。NGOが危惧しているのは、年度の切り替え時に空白ができることだ。
城所:
1期目の終了が見えてきた時点で早めに次の申請書をだしてもらえれば、空白が生じることはない。
(3)日本NGO支援無償資金協力の改善について
熊野:
では次の議題について、まず民間援助支援室から説明をしていきます。
内田:
環境活動整備支援事業については、名古屋で開催された第2回連携推進委員会で 協議された。今回は個別の部分についての協議をということなので、来年度の見通しについて説明する。
まずNGO相談員は来年度も継続。昨年の7月の契約よりは時期を早めるために、できるだけ早く公募を開始したいと考えている。外務省HPで募集する。
また専門調査員も継続。団体を決めてから、調査員を募集するので2段階募集になる。そのため、相談員よりは若干時間がかかるが、こちらもなるべく早く進めるのでHPに注意して欲しい。
さらにNGO研究会については、国別・分野別の形態は今年度で終了。来年度はすべてプロポーザル提出のうえ、良い企画を選考して採用する形態に切り替えていく。大テーマは「人間の安全保障」であり、それに沿った小テーマを外務省が提示して公募する。3つの研究会を公募する予定。年度のはじめに公示を始めたいと考えている。
高松:
NGO活動環境整備事業の支援メニューには、国内におけるワークショップの開催や・海外研修などNGOスタッフのキャパシティ・ビルディングに関するものが含まれていたと思うが、今後の対応は如何。
内田:
平成16年度からFASIDに予算が移ったので、外務省ではなくFASIDが実施している。ただし、内容的に大きく変わるわけではないので、ノウハウについてはFASIDと連携していく。
五月女:
FASIDは、シンクタンクとしての意味もあるので、本来はこういった役割を担うことを望みたい。
山口:
NGO相談員制度は今後どのようになっていくのだろうか。
内田:
現在、省内で人数の増減については議論されていない。予算が厳しいので、頑張って現状維持をしている状況である。活動環境整備支援事業自体が一部事業の統合等もあり、総額では減少すると思われる。このような状況で、現状を保っているだけでも頑張っていると理解していただきたい。
戸代澤:
NGOの能力強化、特に申請書作成という面で、相談員などを結びつけていけないだろうか。
城所:
今後は相談員のあり方自体も議論していかなければならないと思われる。
榛木:
NGO専門調査員についてうかがいたい。
城所:
来年度は外部有識者3名を交えて選定する。調査員の氏名はHPで公表予定である。
高松:
(NGO専門調査員の資質に問題ありと認められるケースがみられる旨の協議内容を受けて、)NGO専門調査員に関する業務管理の責任は受入団体にある。専門調査員の資質云々に問題があるケースもあろうが、事情を精査した上で団体の管理責任にその原因が帰すると判断される場合には、その団体に対して厳しい対応を示すことも必要ではないか。
内田:
調査員については、団体内部での活動になるので、その活動が民間援助支援室に見えにくい。実際に受入をした団体にとって役立ったのか、NGOと外務省の双方が把握するために、お互いに実情をさらけ出すフィードバックが必要だと思う。
榛木:
外務省にそのような考えがあるなら、報告書をだすことなどもキャパシティ・ビルディングになるので、考えていきたいと思う。
(4)NGOと外務省の連携の具体的ビジョンについての提案
熊野:
それでは具体的ビジョンについて協議したいと思います。
高橋:
前回の名古屋開催では、ざっくばらんに意見交換ができたと思っている。それを踏まえて提案したい。NGOの要望として、検討をお願いしたいのだが、外務省の側から日本のNGOの活動についての情報発信をしてもらうことはできないだろうか。むろんNGO自身も努力を続けていくが、日本ではまだ市民社会についての理解が十分でなく、個々のNGOの広報にも限界がある。その点で、外務省が日本のNGOの国際協力活動や、ODAとNGOの連携を広報してもらうことには、信頼性を高めるという大きな意義がある。ただ資金的に支援するのみではなく、国民に対して幅広く広報をしていって欲しい。CSRなどに関心をもつ企業も増えているので、資金的・組織的なキャパシティ・ビルディングという面で、中長期的には非常に大きな意義があると考える。
五月女:
今日は、APICの田中専務理事もオブザーバー参加しているが、メディアに対する働きかけは非常に重要だと考えている。NGOがどのような活動をしているか、メディアを通じて国民に働きかけていくことは非常に重要だろう。
田中:
それについてはJANICの山崎事務局長とも話している。現に、マンネリ化しつつある国際協力フェスティバルについては、政策課などとも話しており、NGOから見ても納得できるように話が進んでいると聞いている。
城所:
私の印象では、小中学生はまだだとしても、高校生や大学生は国際協力に高い関心をもっている層だ。しかし地方などでは、NGOもそうだが、ODA自体が知られていない現状がある。それについては、努力していきたい。またJICAの国内機関も利用していきたい。
高橋:
CSRに関心のある企業などにとっては、外務省から具体的に広報がされることは非常に意義がある。外務省はメディアももっているので、取り組んで欲しい。
城所:
県のNPO関係部署などにもアピールしていく必要があるだろう。
田中:
日本財団に社会貢献についてのネットワークをつくる動きがはじまっている。助成団体などについて、需要と供給を全て集めてネットワーク化する方向である。ソフトの作成については、膨大な資金が必要だが、国際協力もいれて欲しいと申し入れをしたところなので、協力していきたい。
(5)その他:来年度の協議方式について等
熊野:
では最後の来年度の方向性について、はいりたいと思います。
戸代澤:
来年度、NGO側としては、NGO支援無償スキームの改良に関し、複数年事業、人件費の標準単価、審査の迅速化について、外務省側と討議を重ねていきたい。直接費、タイムシート、間接費の定率支援については、非公式の勉強会でこちらの要望をだし、議論を尽くしたので、外務省側の回答を待ちたいと考えている。
また、もう少し大きな枠で、外務省とNGOの連携の方向性について共有していきたいと思っている。
城所:
最初に挙げられた3点については、実質的にすでに対応しているので、NGO側の努力をもとめたいが、それについては、議論を深めることは構わない。
連携の方向性については、経費の支払い方式などをはじめとして、国際機関と連携している場合の問題について教えてもらいたいと思っている。私個人はNGOと外務省のあいだで、互いの考え方が一致するところでは一緒にやり、違うところはそれぞれがやるという関係でいいのだろうと考えている。
五月女:
私は、連携についてはそれほど悲観していない。お互いに議論をしながら理解を深めることによって、解決できるものがたくさんあるのではないかと思う。
高橋:
NGO側としては、国際協力においてただ緊急支援をするだけではなく、緊急支援から復興支援・開発へ連動していくこと、あるいはその一体化が重要だと考えている。JPFのいいところをより浸透させてNGOの活動を促進していきたい。
また、大きな話になるが、MDGの問題は非常に重要なテーマであると捉えている。欧米でも非常に重視されているので、外務省とNGOの連携においても、MDGという看板をだしながら、具体性を持たせることが必要ではないか。そういう意味でのスキーム設計を考えていきたいと思う。
城所:
われわれは口にはだしていなくても、ニーズを先取りをしているなかで案件を考えている。例えばアフリカ支援については、私も2年前から重視してきた。
五月女:
緊急支援に続いて、復興開発支援、さらに社会の安定へと進んでいく流れが必要だろう。やはりそういう支援に対して、責任を分かち合っていくシステムを考えていく必要がある。JPF的なものを発展・拡大していくことを考えていきたい。相談員、調査員制度なども含めてこれまでのスキームを見直し、ニーズを整理し、具体的なスキームをつくっていくべき時期になっていると思う。
戸代澤:
もし、復興開発に関してもJPFのような制度をつくることに、外務省が本気なのであれば、年間の協議事項にいれておくべきではないか。NGO側の心の準備もある。
五月女:
絶えず発言していくことで、意識を高めていく必要があると思う。役所の方は、人が入替わっていくので、絶えずプライオリティの高いものを発言しあって認識し合うことが大事だと思う。また私としては、個別の会合も持っていきたい。非公式な話であれば私に、公式な話は城所室長にいつでも相談して欲しいと思っている。
5、次回協議会の開催日程について
7月8日(金曜日)15時00分~17時00分、東京にて開催予定。
以上
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